ほけんの窓口レディース最終日 女子ゴルフの国内ツアー・ほけんの窓口レディース最終日は16日、福岡CC和白C(6335ヤード、パー72)で悪天候によりサスペンデッドとなった第2ラウンド(R)の途中から再開された。36ホールの短縮競技となった中…

ほけんの窓口レディース最終日

 女子ゴルフの国内ツアー・ほけんの窓口レディース最終日は16日、福岡CC和白C(6335ヤード、パー72)で悪天候によりサスペンデッドとなった第2ラウンド(R)の途中から再開された。36ホールの短縮競技となった中、22歳の大里桃子が通算9アンダーで並んだささきしょうことのプレーオフ(PO)を制して逆転優勝。渋野日向子らと同じ1998年度生まれの黄金世代が、2018年8月以来2年9か月ぶりのツアー通算2勝目を飾った。

 第1Rを1打差の3位で終えた大里は、15日の第2Rで第1打直前に雷が鳴ってサスペンデッド。この日は正規のラウンドで5バーディー、1ボギーだった。最終18番は意地のバーディーを決めてPOに。18番パー5で行われたPOは、3ホール目に2オンに成功し、約4メートルのイーグルパットを外したが、バーディーを奪った。ささきが直後にバーディーパットを外し、大里の優勝が決定。涙を流して喜び、会見ではこれまでの苦悩を振り返った。

「初優勝した後にパットの違和感に悩まされた。今年も回復したり、再発したりでずっと悩まされていた。それを克服できて、やっと2勝目を挙げることができた。1勝目は勢いそのままに勝って、今回は苦労した分、実力もついて勝ち取った優勝だと思います。苦しい時期を思い出すと嬉しいです」

 18年に初優勝したが、パットに悩まされてきた。活躍できず、賞金ランクは下がっていくばかり。同50位以内に与えられるシード権がちらついた。「これが続いたらどうなるんだろう。早く解決策を見つけないと」。パターを何本も試し、握り方も変えた。しっくり来ては合わなくなるの繰り返し。このオフも不調は続き「やっぱりイップスが出て、30センチも真っすぐ打てないくらい。小学生でも入るものが打てなくて本当に苦しかった」と吐露した。

周囲に相談「気持ちの面で吹っ切れた」

 昨年11月の最終戦でも30センチのパットを外し「あれ?みたいな感じ。なんか気持ち悪い」と違和感は消えない。オフにアマチュアと回った時も短い距離を入れられず「シーズンに入ったら、それ(30センチ)以下のパットも気持ち悪くて外した」と頭を抱えた。周囲に相談し「考え方を変えました。リフレッシュで新しい気持ちで臨めたのがよかった」と復調のきっかけを掴んだ。精神面だけでなく、春先にシャフトを3インチ長い36インチに替えたこともハマったという。

「気持ちの面で吹っ切れた。外してもいいやというか、今も『1メートルでも入ると思わない』『入ったら嬉しい』くらいの気持ち。今まではどうやったら入るかを考えていたので、そういう気持ちの変化がよかった」

 今年は初戦から5試合で4度の予選落ちを喫したが、パットの復調にショットがかみ合い、直近では2週連続2位。2週前は同じ熊本出身の上田桃子(ZOZO)にプレーオフで敗れたものの、好調を維持していた。「ここで終わりではない。一旦リセットして、また3勝目、4勝目とできるように成長したいなと思います」と、さらなる飛躍を目指す。(THE ANSWER編集部)