日本国内のロードレースも2021年シーズンが開幕した。国内最高峰のレースシリーズJプロツアーは3月13日、兵庫県加東市にある兵庫県立播磨中央公園でのクリテリウムを第1戦としてスタート。昨年はコロナ禍にあり開催を見送ったが、今年は昨年の開催経…

日本国内のロードレースも2021年シーズンが開幕した。国内最高峰のレースシリーズJプロツアーは3月13日、兵庫県加東市にある兵庫県立播磨中央公園でのクリテリウムを第1戦としてスタート。昨年はコロナ禍にあり開催を見送ったが、今年は昨年の開催経験を踏まえ、感染拡大防止対策を徹底した上で、早々にシリーズ戦を開始することになった。

【第1戦】
今季より、参戦チームのラインナップや、移籍に引退もあり、選手たちの顔ぶれには少々変動があった。スタートラインでは、昨年、特に後半戦で無敵の強さを誇ったマトリックスパワータグなどの強豪チームがやる気をみなぎらせていた。



Jプロツアー2021シーズンが開幕。先頭には昨年の優勝チームマトリックスパワータグのジャージが目立つ

播磨中央公園でのJプロツアーは2011年以来10年ぶり。今回は1周3kmのコースを使用してのクリテリウムとなった。コースは、アップダウンとカーブが連続するタフな設定。この日は午前と午後に、第1戦・第2戦が開催される同日2レース開催の形となった。



兵庫県立播磨中央公園の特設サーキットは高台に位置し、景観もよい

第1戦は午前9時にスタート。20周60kmの設定だ。スタート直後からアタックと吸収が繰り返される。一時10名ほどの逃げ集団が形成されたが、TEAM BRIDGESTONE Cyclingがメイン集団のコントロールに乗り出し、レース中盤に全ての逃げを吸収した。
レース終盤になり、10名ほどの逃げ集団が形成され、メイン集団に10秒ほどの差をつけて先行。ところが、この差を開くことはできずに吸収されてしまう。



世界最高峰のレースシーンで実績を重ねてきたベテラン、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が優勝。レース勘、スプリント力は衰えを知らない

勝負は集団スプリントに持ち込まれた。最後に単独で抜け出したベテラン、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が優勝を決めた。



表彰式では、着順の表彰だけでなく兵庫県知事賞と加東市長賞が贈られた



プロリーダージャージは優勝したフランシスコ・マンセボが、U23リーダージャージは中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)が獲得

結果、シリーズ戦の首位のライダーであることを示すプロリーダージャージはマンセボが獲得、若手選手の首位が着用するU23リーダージャージは中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)が獲得することになった。

【第2戦】
そして午後からは第2戦が開催された。午後のレースはサーキットを15周する45kmの設定。会場には雨が降り始め、風も強まり、午前とは少々異なる環境でのレースとなった。



スタートラインには第1戦でリーダージャージを得た2名を最前列に選手たちがラインナップ

2周目に5名が先行。ここにメイン集団から次々選手がジョインし、全日本チャンピオンの入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)や橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)らを含む11名の集団が形成されることになった。
メイン集団は午前中のレースでリーダージャージを着たフランシスコ・マンセボ擁するマトリックスパワータグがコントロール。しかしマトリックスは先頭集団に、ホセ・ビセンテ・トリビオら強豪選手を2名を送り込んでおり、差を詰める判断にはならず、タイム差はじりじりと広がっていった。



JCF強化指定チームが集団を牽引、ペースアップを試みる

レース終盤にはJCF強化指定チームが集団のペースアップを図るが、この時点でタイム差は1分以上まで開いており、決定的な動きが生じるところまで差を詰めることはできなかった。



単独でアタックした橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)は、武器とするスピード力で後続を寄せ付けず、独走体制を固める

11周目、先頭集団からスピード力に自信のある橋本がアタック。独走で後続との差を広げて周回を重ねていく。13周目にはしびれを切らせたトリビオが単独で追走を始める。橋本との差を徐々に詰めていくが、捉えることはできなかった。逃げ切りを確信した橋本は観客の声援に応える余裕を見せながら、堂々とフィニッシュ。第2戦の優勝を決めた。



第2戦のポディウムでも、兵庫県知事賞と加東市長賞が贈られた



リーダージャージはチーム内で移動し、プロリーダージャージはホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックス・パワータグ)、U23リーダージャージは川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)が着用

2位でフィニッシュしたトリビオは第1戦でも3位を獲得しており、総合首位を獲得。プロリーダージャージはマトリックス内で移動し、トリビオが着用することになった。U23リーダージャージも同じく、弱虫ペダルサイクリングチーム内で移動し、川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)の手に移った。

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【結果】Jプロツアー第1戦 60km

1位/フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)1時間29分57秒
2位/蠣崎優仁(JCF強化指定チーム)+1秒
3位/ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+1秒
4位/木村圭佑(シマノレーシング)+1秒
5位/大町建斗(eNShare レーシングチーム)+1秒

【Jプロツアーリーダー】フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
【U23リーダー】中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)

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【結果】Jプロツアー第2戦 45km

1位/橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)1時間8分8秒
2位/ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+17秒
3位/床井亮太(シマノレーシング)+1分32秒
4位/伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)+1分32秒
5位/天野壮悠(JCF強化指定チーム)+1分32秒

【Jプロツアーリーダー】ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
【U23リーダー】川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)
【敢闘賞】小出樹、天野壮悠(共にJCF強化指定チーム)

画像提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)