2021年 5月1日(土)、ダブルダッチの“個人戦”『DOUBLE DUTCH ONE‘S FINAL 2021』が開催された。3人以上のプレイヤーを要する「ダブルダッチ」だが、縄を回す2名のプレイヤーを固定し、ジャンプするプレイヤー1名の技量のみを比較し競い合うのが、この“ONE’S”(ワンズ)スタイル。
FINALとなる今回は、各回の予選に出場し、戦績に応じて付与される“ポイント”を稼いだ16名の選手が集結。トーナメント形式でチャンピオンの座を競い合う。
FINALIST 16名とMC / Photo by AYATO.
新型コロナウイルスの感染拡大防止などの配慮もあり、今回は全編が無観客でのオンライン配信。しかしその組み合わせは事前にSNSで告知されるなど、かつてない規模と思いで開催されることに。
どれもがまさに“激闘”。実力派プレイヤー同士のマッチアップは勝敗の読めないものも多く、配信には常に600以上のビューが。またONE’SのSNSには、日本のみならず世界中から家族・友人と鑑賞を楽しむ投稿も多く寄せられ、イベントの注目度の高さを物語っていた。
さて、その中でBEST4のうち3名「KEITAJUMPROCK」「KENGO」「KO-YA」は国内プロチーム「REGSTYLE」のメンバー。そこに、何と現在大学3年生となる期待の新星「CHEGA」を加えた4名がしのぎを削ることになった。
まずはKEITA JUMPROCKとKENGOのバトル。REGSTYLEのチームメイトでもあり、師弟対決とも言えるこのバトル。トップロックスタイルをダブルダッチに昇華させるKEITAと、ダイナミックな動きの中にしなやかさを併せ持つKENGO。似て非なる2人のバトルはKEITAの猛攻に1本を先制されると、焦りからかKENGOがミスを連発。KEITAが5名の審査員全員から票を獲得し完封勝利を果たす。
KEITA JUMPROCK / Photo by AYATO.
KENGO / Photo by AYATO.
試合後のワンシーン / Photo by AYATO.
そしてCHEGAとKO-YAのバトル。年齢差12、何と干支を一周している2人のバトルは、こちらも気迫のぶつかり合い。睨み合う両者の姿が印象的だったが、お互いを見据えつつも、その先の決勝戦そしてチャンピオンの座を狙っていたようだった。年齢差を感じさせないこの戦いだったが、こちらもKO-YAが完封勝利。
CHEGA / Photo by AYATO.
KO-YA / Photo by AYATO.
にらみ合う両者 / Photo by AYATO.
そして遂に決勝戦。対岸のブロックにいたKEITA JUMPROCKとKO-YA、同じチームのメンバーで切磋琢磨してきた2人が決勝のフィールドで激突。技量もさることながら、ロープの外の煽り合いから本気だったこの試合。現場の選手・スタッフも息を呑むバトルは、両者が全身全霊を掛けた世紀の大勝負だった。
KEITA JUMPROCK / Photo by AYATO.
KO-YA / Photo by AYATO.
ロープ外での煽り合いも熾烈 / Photo by AYATO.
そんなダブルダッチの歴史を塗り替えるこの戦いは、3対2でKEITA JUMPROCKが優勝。2年ぶり3度目、悲願の優勝を果たした。
ジャッジ緊張の瞬間 / Photo by AYATO.
KEITA JUMPROCK / Photo by AYATO.
ダブルダッチの個人戦は、もちろんその身ひとつでの戦いだ。しかし背負う思いは一人分ではない。あの日、あの場にいたFINALISTは全員、確かに勝たなければならない「理由」を持っていた。勝敗の事実だけ取ってみればそれは無機質なものでしかないが、そこには語り尽くせない無量のドラマがあった。当日の様子はYouTubeチャンネル「DOUBLE DUTCH TV」にてアーカイブが配信されているので、記事には触れていない試合も含め是非ご覧頂きたい。あの場所にいたプレイヤーたちにとって、この一日はファイナルではない。彼らが紡ぎだす物語のスタートだった。
CHAMPION・KEITAに優勝コメント
KEITA JUMPROCK / Photo by AYATO.
——まずは優勝、おめでとうございます。率直なお気持ちをお聞かせください。
何だかんだギリギリでしたね(笑)。練習もトレーニングも相当してきて、煙草も止めて、直前期には食事制限もかけたので、イメージでは圧勝かなと思っていましたが、みんな強かった。
——今日までにKEITAさんの中では圧勝だと思うほどの練習を積み重ねてこられたわけですね。ただ、一筋縄ではいかなかったと。
そうです。だからもっと練習をしないといけないし、みんなと再戦した時また強くなっていたい、そう思った1日でした。
——今回の大会は色々な思いを懸けていたと伺いました。本当に色々だとは思いますが、そこを敢えて言葉にしたとき、どんな思いを懸けて臨まれていたのでしょうか。
自分自身、ダブルダッチそのもの、そしてダブルダッチシーンのこと。色々な未来のビジョンを考えたときにこのONE’S FINALで優勝することがスタート地点になったんです。だからこれはどうしても実現しなければいけませんでした。そのスタート地点に、今やっと立てています。
——なるほど。昨年はコロナで開催が中止となり、その前年はBEST4で敗退して、この優勝は2年越しの悲願でもあるわけですね。そんなKEITAさんが今やりたいことって何でしょうか。
とりあえず、今日失敗した技は練習します(笑)。練習ではほぼ通っていたものが本番で上手くいかなかったので、練習ですね。
——本番には魔物が棲んでいる、なんて言い方もありますが、やはりKEITAさんでも緊張やあがりはあるんですね。
やっぱり現場は違うんだなあ、本番は難しいんだなあ、と実感しました。
——KEITAさんの中で、今日一番バイブスが上がったバトルはどれでしたか?
もちろん決勝戦、KO-YAさんとのバトルですね。長年のチームメイトですし、色々な思いがあって、それをダブルダッチを通してしっかりぶつけることが出来ました。でもすごく楽しくて、リスペクトがあって、忘れられない勝負になりました。
——先ほどKEITAさんの中でこの優勝は“ビジョンを達成するためのスタート”と仰っていましたが、これからどのビジョンに向かって走り出していくのでしょうか。
色々な目標はありますが、やはりそのうちの1つは2028年のロサンゼルスオリンピックで、ジャンプロープ・ダブルダッチを種目にすることですね。それに向けてガンガン活動していきます。なので、これからも俺に注目していた方がいいと思います!
——最後に一言お願い致します。
ダブルダッチをプレーすることだけじゃなくて、このカルチャーも好きなんだなと強く実感した一日でした。このカルチャーで生きていこうと改めて思いましたし、もっともっとみんなで楽しんでいきたいです。これからもよろしくお願いします! ありがとうございました!!
イベント概要
DOUBLE DUTCH ONE’S FINAL 2019-2021
日時: 2021年 5月1日(土) 放送
会場: オンライン配信 YouTubeチャンネル「DOUBLE DUTCH TV」にて放送!
主催: DOUBLE DUTCH ONE’S 実行委員会
企画運営: 有限会社 OVER THUMPZ
後援: 特定非営利活動法人 日本ダブルダッチ協会
協賛: カシオ計算機株式会社 / アディダス ジャパン株式会社
協力: スキルハック
text by YAMADAI
photo by AYATO.
The post KEITA JUMPROCKが悲願の優勝! 「DOUBLE DUTCH ONE’S FINAL」 first appeared on FINEPLAY.