F1レーシングチームのスクーデリア・フェラーリとブランディングやリユース事業を手掛ける日本企業・レディオブック株式会社との取組みが今、注目を集めている。日本企業では実に13年ぶりとなるフェラーリとのスポンサー契約締結。スポーツとは掛け離れ…

 F1レーシングチームのスクーデリア・フェラーリとブランディングやリユース事業を手掛ける日本企業・レディオブック株式会社との取組みが今、注目を集めている。

日本企業では実に13年ぶりとなるフェラーリとのスポンサー契約締結。

スポーツとは掛け離れた事業を手掛ける企業が、何故フェラーリとの契約に至ったのか。

今回、レディオブック株式会社のCEO・YUGOさんと、元フジテレビアナウンサーでスポーツアンカー・田中大貴さんとのスペシャル対談が実現。

フェラーリとの取り組みをはじめ、元格闘家のYUGOさんが企業するまでの経緯や今後の目標、さらには今年より新たに始まった格闘家・朝倉未来さんが手掛ける「Breaking Down」との取組みについても語ってくれた。

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格闘家から起業し、iPhone修理事業の道へ


田中:現在「レディオブック株式会社」を経営されているYUGOさんですが、元々は格闘家をやられていた。そもそもそこから転じようと思ったのは何故ですか?

YUGO:元々最初はバンドをやっていて、それが解散した後に格闘技を始めました。DEEPなどに出させて頂いていましたね。その後、プロデビューしたと同時に結婚をしました。ただ、僕は、プロになることを目標として格闘技をやっていたので、それが叶った瞬間にモチベーションが下がってしまったんです。それからは練習に行かず、バイトしてパチンコ行って・・・というのが3年ほど続きました。
29歳の時に子供が生まれるタイミングで、このままじゃまずいと思い、色んな選択肢の中で独立することが適切かなと思い、今に至りました。

田中:20代後半は、大変な時期があったんですね。

YUGO:きついというか、クソみたいな時期ですよね。当時の自分は、ネガティブな時期はあまりなくて、それはそれで『パチンコ必勝ガイド』とか見ながら『俺勝てるんじゃないか』とか思っていましたから(笑)ポジティブっちゃポジティブなんですけど、見返してみたらダサいですよね。

田中:そこから起業し、現在の会社「レディオブック株式会社」を設立することになったんですね。

YUGO:元々個人事業主でiPhoneの修理をおこなっていました。その際、TSUTAYAさんと提携する話になり、最初は大阪の戎橋、そしてその後に渋谷の店舗内のスタバ横に電話ボックスのようなものを建てて事業を始めました。その時に法人化を検討したという感じです。

田中:そもそも携帯に関する事業をやろうと思ったのは何故なのでしょうか?

YUGO:正直、手段でしかなかったんです。当初個人事業をおこなっていた時に、女性用アダルトグッズのEC販売をやっていました。というのも、起業することが目的で、法に触れず、自分の哲学に反していなければ、手段は問わないと思っていたんです。その後はサプリの卸販売なんかもやっていましたね。そしてその次に始めたのが、iPhone修理でした。これらって、自分の中では『とりあえずやってみよう』で始めたものだったので、手段でしかなかったんです。その中で、iPhone修理の何が1番引っかかったかというと、リーディングカンパニーがなかったことなんです。僕がその事業を始めた8年前って、スマートフォンがそろそろ普及し始めるなという空気感があったんですよね。だから、自分ならここでリーディングカンパニーを作れるんじゃないかと思ったんです。チャンピオンベルトが空いているわけですから。こういった経緯があって、iPhone修理の事業をおこなうことになりました。

「全く興味がなかった」フェラーリと締結した理由

田中:そうして設立した「レディオブック株式会社」。企業理念は「やりたくないことをやらなくていい世界を作る」ということですが、YUGOさんがこう思ったきっかけはどんなことだったのでしょうか?

YUGO:本を出したあとですね。本を出版する時に、タイトルをどうしようかという話になるわけですよ。その中で、自分の考え方や哲学を表したのがそれなんです。言語化ができたことで、『そうか、俺ってそういうことだったんだ』と気がつきました。

最近よく『やりたいことだけやりましょう』っていうじゃないですか。でも、『やりたいことだけやる』ってなんか違うなって思うんです。というのも、僕の理論でいうと、本当はやりたいことがあるんだけれども『やれない』とか『自分の中で勝手に諦める』といった状況があると思うんです。その中で『やりたくないこと』といったゴミを取り除いていったら、やりたいことが出てくるよねって思うんです。ということで「やりたくないことをやらなくていい世界を作る」といった言葉が出てきました。

そして、言葉の定義も『我慢』と『忍耐』で分けています。
例えば野球選手を目指しているのに素振りをやりたくないといったら、そこでやることは『忍耐』だと思うんです。ただ、野球選手を目指しているのにエクセルやパワポを勉強してくださいと言ったらやりますか?という話です。その人からすると素振りは『忍耐』になり、エクセル・パワポは『我慢』になっちゃうんです。
自分が何をやりたいか、どうなりたいかから逆算すると、『忍耐』するものと『我慢』するものは分けられるはずなんです。『我慢』はいらないよって言っているだけで『忍耐』は必要だよということです。

田中:そんな中で、昨年からF1レーシングチームのスクーデリア・フェラーリと公式パートナーシップ契約を締結されました。この契約に至ったのはどういった経緯があったのでしょうか?

YUGO:正直、僕はカーレースに全く興味が無かったし、最初スポンサー契約の話が来た時も、「興味がないからやりたくない」って言ったんです。僕の中でスポンサーをする理由もないし、意味もわからないから、却下しました。何か一緒にできる仕事があるんだったらやりたいと言って、一回その話は終わったんです。
その後にフェラーリの歴史を調べてみたんですよ。そしたら、うちの目指すべき姿・会社と理念が似ていたんです。

田中:どういった理念だったんですか?

YUGO:2つ軸がありました。
1つは、スマートフォン事業に関してです。スマートフォンの売買や修理って、相場がないので、どこよりも安いところにお客さんが来ちゃうし、どこよりも高く買い取りますといったように、値段で価値を決める業種だったんですよ。僕はそれが凄く嫌で。仕方ないことかもしれないけど、なんか違うなと思っていました。
そんななかで、フェラーリって価値で売っているじゃないですか。100万円くらいで燃費のいい車があるのに、みんな何千万も払ってこんな燃費の悪い車を買っている。
そう思った時に、これこそブランドだと。便利さよりも価値で売っている会社だと感じ、色々自分たちの会社にプラスになることがあると思ったのが理由の一つです。

もう一つは、フェラーリって3つ会社があるんですが、その中で「スクーデリア・フェラーリ」は「スポーツカーを売っているのはF1で勝つための手段でしかない」と公言しているんですよ。それに加えてもう一つ会社の理念の中に「何をやるかより何をやらないかを決めていく」というのがあるんです。それが、うちの会社の「やりたくないことをやらなくていい世界を作る」と凄く通ずる部分があったんですよ。
うちの会社って、1人を除いて会社員を雇っていないんですね。色々な人たちと業務委託をさせてもらっているんです。フェラーリも実は会社の効率性より、1人1人のスーパーマンを育てて仲間にしていく方針。そういったところに近しいものを感じて、興味を持つようになったんです。
そこで、僕が元々やっていた『エアロコンセプト』というブランドがあるんですが、これを近しい感じで、フェラーリでできないかと提案しました。

田中:そんなこと提案してくる日本の企業って他にいないんじゃないですか。

YUGO:いないと思いますね。驚いたって言われました。中国の企業とか特に、お金をいくらでも出すからスポンサーやりたいというところが多いらしいんです。でもフェラーリってご存知の通りブランドを意識している企業なので、何を載せるかというところを凄く重要視されているみたいです。そこに僕がそのようなことを提案したところ、乗っかってくれたんですよね。

田中:車体にはレイバンなど名だたる企業の中に御社のロゴが。改めて見ていかがでしょうか?

YUGO:去年はコロナの影響で現地で見ることができず、映像を通して見ていたんですが、自分の会社のロゴが載っている車が走っているのを見ると、やっぱり感動しますよね。泣きそうになりました。実際に生で見たら泣くこと必須でしょうね。

田中:今後、フェラーリと共に何か成し遂げたい目標はありますか?

YUGO:僕は「ブランディング=正しく認識させる」ことだと思っています。そういった意味で、僕らみたいな、知らなかった目線からフェラーリの理念を普及していきたいなと思います。
僕、さっきも言ったように最初は本当に興味がなかったところから、フェラーリの歴史を知って好きになっていった訳ですよ。
フェラーリって、名前だけが先行して、金持ちの道楽とかってイメージがあると思うんです。そうではなくて、設計も、いかに走りを追求させるかというデザインをやっていったらあの形になったとか、こだわりがある上であんなにカッコいいんだと思ったらめちゃくちゃ欲しくなったんです。こういう人間って凄く多いと思うんですよね。
なのでこの先、フェラーリの廃材を使用したプロダクトのリリースを考えていますが、フェラーリの廃材を使用していることをそこまで大々的に言うつもりもないんですよ。そうじゃないと、フェラーリが好きな人しかこないし、フェラーリに対して偏見を持っている人は買わないと思うんです。最終的に「これ、フェラーリの廃材だったんだ」と言う形がかっこいいと思うんですよね。

田中:コロナの情勢次第ですが、今後レース会場でのイベントなどはお考えですか?

YUGO:そうですね。今鈴鹿サーキットさんと話をしていて、10月の日本グランプリが開催されるようであれば、リアルイベントを行いたいと思っています。あとは、過去に走っていた車を持ってこれるんですよ。なので、F1の車体を使ったイベントや、ドライバーも召喚できるので、そういったことは予定していますね。

「やりたくないことをやらなくていい世界を作る」を死ぬまでやり続けたい

田中:そしてF1以外にも、朝倉未来さんと「Breaking Down」といった活動を始めましたね。

YUGO:そうなんです。未来さんのYouTubeを見た時に、新しくジムに作ったリングの柱のスポンサーを募集しますといっていたのを見たことがきっかけでした。
実際に、スポンサーではないんですが、僕らブランディング事業もやっているので、一緒にこう言うことをやりませんかと提案させていただいたら、是非是非という流れで始めることになりました。フェラーリと一緒ですね。
未来さんが当初言っていた「1分間で試合をする」と言うことを題材として、あとはそちらで名前も含めて調理してくださいといっていただきました。「Breaking Down」という会社を設立し、そこに僕らがプロデュースという形で入り、企画・立案、運用、プロモーションなどをやらせていただいています。

田中:格闘技界からの反響は大きいんじゃないですか?

YUGO:結構ありますね。私も出たい僕も出たい、という割とポジティブな意見が多いです。1分間なので、プロもアマも関係ないんですよ。もしかしたらアマが勝つかもしれない。別競技と捉えて幻想を抱かせるような大会にしていければなと思います。

田中:ここまで色々とお話を伺ってきましたが、YUGOさんがいろいろなことをやる中で、代表として発信する意義や価値観についてどう考えていますか?

YUGO:僕は何も持たざる者なので・・・。何もスキル無いですからね。エクセルもできないですし。格闘技でチャンピオンになったとかなら別ですけど、実績もなく、全部中途半端だったので。
僕は自分の生き方とか考え方を発信していかないと仲間を集められないと思ったんです。僕の特技はビジョンを描くことと仲間を集めることなので。発信しないと言葉に力も宿らないし、影響力も出ない。
ここでちゃんと価値を得ておけば、自分がやりたいことがあった時に声をかけやすいというか、メリットを提示しやすいと思うんです。
僕、ポケモンでいうところのピカチュウじゃなくてサトシなのでね。

田中:最後になりますが、現時点でご自分が描く最終目標はありますか?

YUGO:目的は、基本的には理念通りです。「やりたくないことをやらなくていい世界を作る」を貫き通すことですね。これを毎日積み重ねていくことが1番幸せなので。
これをずっとキープしていけば楽しいことができるし、自分が楽しいことってきっと誰かが喜んでくれることなので。
信用が溜まって自分がサービスをつくることで喜んでくれる人がいる。そして人と仲間とお金が入ってくる。そしてさらにまた新しいことができる。これをずっと死ぬまでやり続けたいですね。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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