スポーツクライミングの第1回スピードユース日本選手権が6日午前、京都府亀岡市の「サンガスタジアム by KYOCERA グラビティリサーチ」で行われ、カテゴリーごとの初代優勝者6名が決定した。 最も注目が集まったのが、日本では東京五輪代表…


 スポーツクライミングの第1回スピードユース日本選手権が6日午前、京都府亀岡市の「サンガスタジアム by KYOCERA グラビティリサーチ」で行われ、カテゴリーごとの初代優勝者6名が決定した。

 最も注目が集まったのが、日本では東京五輪代表・楢崎智亜しかマークしていない5秒台に迫っている大政涼と竹田創(はじめ)が出場したジュニア(2002、03年生まれ)男子。竹田は順当にビッグファイナルへと進出したが、大政は予選2位だった安川潤に敗れてしまう。安川はこの日の同カテゴリー最速となる6.35秒を計測した。

 優勝決定戦では、中盤まで互角だったが安川がミスを犯してしまい、振り切った竹田が初代王者の称号を獲得した。同カテゴリーの女子では、昨年末の第3回コンバインドジャパンカップで4位に入っていた滝口萌が僅差で二宮凛をかわし、優勝を決めた。

男子ジュニアを制した竹田創。

 ユースA(2004、05年生まれ)では、男子の予選首位・藤野柊斗と同3位・真鍋竜がビッグファイナルで対決し、6.72秒の自己ベストで藤野が制する。女子では予選で唯一の9秒台をマークした林かりんが決勝ラウンドで8.86秒の自己ベストを計測。伊藤ふたばの持つユースA女子日本記録(8.65秒)に迫りそのまま優勝かと思われたが、ビッグファイナルではミスが重なってしまい、鈴木可菜美に初代女王の座を譲った。

 ユースB(2006、07年生まれ)では、男女で日本新記録が誕生。男子では7.02秒の日本新で予選首位通過した杉本侑翼(ゆうすけ)が優勝決定戦に進出すると、序盤でスリップした谷井和季を尻目に、さらに記録を更新する6.96秒でフィニッシュした。女子でも予選で日本新を計測していた河上史佳が決勝ラウンド2戦目で9.44秒とさらに記録を更新。関川愛音(めろでぃ)と対峙した優勝決定戦では、互いにミスが続いた中で先に立て直した河上が先にゴールパッドを叩いた。

 スピードクライミングのユース選手育成が進められている状況下で初の開催となったスピードユース日本選手権。各選手が自己ベスト更新を連発し、競技後の優勝者インタビューでは「世界でも活躍できるようになりたい」というコメントが聞かれるなど、同種目の将来に期待が高まる大会となった。

<リザルト>

男子ジュニア(2002、03年生まれ)

1位:竹田 創(仙台城南高等学校)/6.80秒
2位:安川 潤(千葉県山岳・スポーツクライミング協会)/FALL
3位:大政 涼(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/7.45秒

優勝:竹田創コメント
「初めてのユース大会で初代王者になりたいという気持ちで来たが、無事にそれを達成できてよかった。(今後の目標は)この後にジャパンカップもあるので、そこで優勝することが一番。これからどんどん大会が増えてくると思うので、そこでも優勝していきたい」

女子ジュニア(2002、03年生まれ)

1位:滝口 萌(福島県山岳連盟)/11.03秒
2位:二宮 凜(千葉商科大学付属高等学校)/11.29秒
3位:相原 麻菜美(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/15.43秒

優勝:滝口萌コメント
「素直に嬉しい。ベストを出し切れていないと思ったので、この後のジャパンカップでは自分の実力を出してなるべく上位になれるよう頑張りたい」

男子ユースA(2004、05年生まれ)

1位:藤野 柊斗(千葉商科大学付属高等学校)/6.72秒
2位:真鍋 竜(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/14.46秒
3位:三田 歩夢(千葉県山岳・スポーツクライミング協会)/7.74秒

優勝:藤野柊斗コメント
「結果を残せたのは家族やコーチの方のおかげ。感謝の気持ちを伝えたい。日本だけでなく、世界でも活躍できるような選手になりたい」

女子ユースA(2004、05年生まれ)

1位:鈴木 可菜美(千葉商科大学付属高等学校)/12.10秒
2位:林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/12.29秒
3位:竹内 亜衣(千葉市立山王中学校)/11.28秒

優勝:鈴木可菜美コメント
「優勝できると思っていなかったのですごく嬉しい。改善したいムーブがあるので、そこを直してもっとタイムが縮められるように頑張りたい」

男子ユースB(2006、07年生まれ)

1位:杉本 侑翼(名張市立北中学校)/6.98秒
2位:谷井 和季(橿原市立光陽中学校)/7.91秒
3位:古屋 生吹(無所属)/8.16秒

優勝:杉本侑翼コメント
「第1回という大きな大会の中で優勝を目指して取れたこと、6秒台で日本記録更新と、嬉しいことでいっぱい。スピードだけに終わらず、ボルダリングやリードでも今まで以上の結果を残せたらと思っている」

女子ユースB(2006、07年生まれ)

1位:河上 史佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/10.18秒
2位:関川 愛音(青森県山岳連盟)/10.55秒
3位:藤村 侃奈(奈良県山岳連盟)/11.36秒

優勝:河上史佳コメント
「初めての大きな大会で優勝できたことがとても嬉しかった。世界で活躍できる選手になれるように、たくさん練習して、より良いタイムを出していきたい」

※左から氏名、所属先、成績
※成績は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3位はスモールファイナル(3位決定戦)での記録

CREDITS

編集部 /

写真

窪田亮

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