ラグビーのトップリーグ(TL)は20、21日の両日、開幕を迎えた。W杯を沸かせた日本代表選手はもちろん、新加入した世界的スターも躍動。ニュージーランド代表SOのボーデン・バレット(サントリー)は「やっと開幕戦を迎えられて、チームメートと戦えたのが感慨深い。ファンの前でプレーができたことに喜びを感じている」と待ちに待った日の印象を述べた。

 コロナ禍を乗り越えて、迎えた開幕だった。昨季は感染拡大を受けて3月にリーグが打ち切りになった。今季は1月16日の開幕予定だったが、6チームに感染者が出たため、2日前の同14日に延期を決めた。中止となる試合数が多くなる公算となり、そのままの開催ではリーグ成立が困難と判断されたためだった。

 感染者数はその後、合計68人に上った。その一方でリーグ開催に向けて、試合数を減らす開催方式に変更。感染者の回復を考慮して、開幕日を20日に設定した。さらに、感染防止へ向けてガイドラインを厳格化して改訂。“その日”に備えた。

 それまでは感染対策はチームごとに対応していた。改訂したガイドラインにより、選手・スタッフ約1100人を対象に毎日の体調記録、行動記録を管理、共有し、リーグとして全体を把握することになった。また感染防止・拡大防止措置として手洗い、マスク着用、消毒、換気を徹底。およそ1週間ごとに約1100人全員を対象に検査を実施した。

 また、感染者が出なかったチームの対策、会食禁止、電車移動は避ける、風呂は時間差、練習会場と自宅以外は行ってはいけない-なども参考にした。改訂ガイドラインでは、家族、同居人以外との1メートル以内でのマスクなしでの会話を禁止。シーズン中のチーム主催の懇親会、飲み会の禁止。チーム活動内の飲食の際も、対面禁止、時間差、会話を慎むなど、大きく制限した。

 ガイドライン厳格化の成果は現れた。週1回ペースで行ったPCR検査では2月上旬までの2回の検査で陽性判定は計3人にとどまった。2月18日の検査発表の際には1人も出ず、無事に開幕を迎えることができた。

 NTTコミュニケーションズ金正奎主将は「さまざまな人の努力があって僕たちはプレーできている。ひしひしと感謝しています。グラウンドでパフォーマンスを出して観ている人に勇気を与えることが僕たちの使命だと思う。まずは第一歩できたのかなと思います」と話す。

 ラグビーは来季から新リーグが発足。TLは今季が最後の大会となる。何としても大会成立を願う選手、関係者が“ONE TEAM”となって、コロナ禍の厳しい時期の開幕を実現させた。