セッターとペアを組んで作成した課題を、選手たちが互いに登り合って競うオリジナルルールの新設大会「THE SIX」の前日セットが18日、大会を主催する都内のボルダリングジム「B-PUMP荻窪」で行われた。

 初の試みとなった大会は、準備段階から「新鮮で楽しい」という声が選手、セッターの双方から上がり、会場内には早くも“成功”したかのような雰囲気がただよった。



選手たちはセットする壁と担当セッターをくじ引きで決めると、どのような課題を作るのか相談しながら、セッターとの共同作業で自分たちだけの“オリジナル作品”を作り上げていった。

 同じ平成元年生まれの堀創とペアを組んだ野口啓代は「自分で課題を作ることがないので、準備段階からめちゃくちゃ楽しい。他の選手の課題を見ると『あ、意外とこういう課題が好きなのか』と知らなかった一面を知ることができるのも面白い」と初めての経験を振り返ると、男子では天笠颯太とのコンビとなった堀も「普段の大会では選手の有利不利をなるべくなくして平等に作ることを意識しているが、今回は颯太を勝たせるように課題を作った。それがすごく新鮮で楽しい」と語った。

 中学生でセット未経験の小池はなが「最初は自分の考えが出ずに不安だったが、話し合いながら進めると課題を作るのは楽しいと感じられた。セッターの方たちはこんなに大変な思いをして課題を作っているんだと思った」と感想を述べると、男子では杉本怜の担当セッターとなった頭師雅⼈は「『え、これできるの?』って言う提案をしてきて驚いたが、トップ選手はそれを実際に登ってしまう。自分では体現できない課題を作れるのは楽しい」とワクワクした様子だった。

藤井快は平嶋元とのコンビ。時間をフルに使い、入念に課題を作り込んだ。

 競技本番では自分で担当した課題も登るため、自身の得意な動きを取り入れた課題がそれぞれできあがった。怪我のため出場はしないが、セットには参加した伊藤ふたばは「スラブのコーディネーションが得意なので、その動きを生かした課題にした」とし、ペアの吉井玲雄も「女子選手があまり得意ではないコーディネーションをはじめ、繊細さとパワーも求められるオールマイティな課題になった」とポイントを説明。

 東京五輪代表の楢崎智亜は「他の5人はフィジカル系の課題で、自分だけテクニカルな課題。最近の男子のコンペは走る動きが減ってきている傾向にあるが、僕自身そういう動きが好きで、歩数もかなり多めにしている」とし、最後は「自分の課題はしっかりと登り、他の課題も少ない回数で登ることができれば」と実際の競技に向けて意気込みのコメントを残した。

 明日19日は、競技前に課題内容の最終調整を行ったのち、男女各6名(女子は伊藤ふたばを除く5名)によるバトルが幕を開ける。

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編集部