第3回コンバインドジャパンカップの女子決勝が27日、石鎚クライミングパークSAIJO(愛媛・西条)で行われ、ボルダリング、リードで1位となった野中生萌が総合成績でも1位に輝き、大会2連覇を達成した。 野中は自己ベストで優位に立つスピードで…


 第3回コンバインドジャパンカップの女子決勝が27日、石鎚クライミングパークSAIJO(愛媛・西条)で行われ、ボルダリング、リードで1位となった野中生萌が総合成績でも1位に輝き、大会2連覇を達成した。

 野中は自己ベストで優位に立つスピードで順当にビッグファイナルに進出。倉菜々子とのレースでは途中に痛恨のスリップをしてしまい敗れたが、2位で第1種目を終える。

第1種目スピードの1位は倉菜々子。今年のジャパンツアー4冠女王が最終的には2位で表彰台に上がった。

 続くボルダリングでは、野中は第1課題、第2課題ともにフィジカルの強さを発揮して連続完登。第3課題は取りこぼすも、他選手が決勝の難課題に苦しむ中で絶大な存在感を示した。野中以外で決勝課題を完登したのは谷井菜月、倉のみ。総合順位では野中が2ポイントで首位、1ポイント差で倉が2位につけた。

ボルダリングの完登数、ゾーン獲得数では野中と並ぶ成績を残した谷井菜月。

最高高度に到達し野中がリードでも1位でフィニッシュ。

 最終種目のリードは、野中の弱点とされる種目。しかし、W杯でも活躍する谷井、森らが序盤から中盤にかけてミスを犯し落下した中で、中盤のランジパートを難なく突破するなどして8選手中最高高度の27まで到達。1位でフィニッシュした。

 これで野中は合計2ポイントを維持。ただ1人の一桁ポイントで文句なしの優勝となり、昨年に続く大会2連覇を達成した。2位には倉、3位には谷井が入った。

 優勝インタビューで「この経験を生かして、来年のオリンピック優勝を目指して頑張りたい」と東京五輪への意気込みを話した野中。上々の結果で2020年のラストマッチを終え、大舞台が待つ2021年に臨む。


野中生萌コメント
「今年最後の締めくくりで優勝することができて本当に嬉しく思っています。ディフェンディングチャンピオンということもあって気合は入っていたので、目標としていた2冠を達成できてすごく嬉しいです。目標は常に先を見ているので、この大会もオリンピックへの経験ができてよかったと思いますし、この経験を生かして、来年のオリンピック優勝を目指して頑張りたいと思います。コロナ禍ですごく大変な時期だと思いますが、今回の私たちのクライミングで、皆さんに元気を届けられたらいいなと思っています。応援ありがとうございました」

<決勝リザルト>

1位:野中 生萌(XFLAG)
 2ポイント(S 2位/B 1位/L 1位)
2位:倉 菜々子(愛知県山岳連盟)
 18ポイント(S 1位/B 3位/L 6位)
3位:谷井 菜月(橿原学院高等学校)
 56ポイント(S 7位/B 2位/L 4位)
4位:滝口 萌(福島県山岳連盟)
 70ポイント(S 5位/B 7位/L 2位)
5位:青柳 未愛(東京都立府中東高等学校)
 72ポイント(S 3位/B 8位/L 3位)
6位:菊地 咲希(日新火災)
 120ポイント(S 4位/B 6位/L 5位)
7位:中村 真緒(青山学院大学)
 210ポイント(S 6位/B 5位/L 7位)
8位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)
 256ポイント(S 8位/B 4位/L 8位)

※上段左から順位、氏名、所属
※下段左から各種目順位の値を掛け合わせた総合ポイント、各種目順位(S=スピード、B=ボルダリング、L=リード)

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編集部 /

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窪田亮