11月15日に行われたアジア最終予選 - ROAD TO RUSSIA 第5戦、首位サウジアラビアとの一戦は2−1で日本が勝利をおさめた。厳しい状況が続いていたサムライブルーだが、勝ち点1差に4カ国がひしめく大混戦ではあるものの予選の折り返しで単独2位と、自力でW杯出場権を獲得できるところまで盛り返すことに成功した。 多くのメディアが勝因として世代交代を挙げている。特に2010年のW杯から常に先発出場を続けてきた本田圭佑は、「旧世代の象徴」として厳しい扱いを受けている。この日、彼に替わって先発した久保裕也は、怪我でピッチを退くまで激しいチェイシングを繰り返し、チャンスと見ればゴール前に突き進むアグレッシブさを見せてくれた。久保との交代でピッチに「戻った」本田だったが、決定機を決められず、パスの出しどころに迷う姿は全盛期と程遠かった。相対的に久保を評価する向きが多いのも理解できる。ただ「本田はこれで終わり」なわけではない。実際、決勝点となった原口のゴールは、本田圭佑らしい気の利いたプレイから生まれている。もちろん、「あのワンツー」のことである。 「そんなに大げさに褒めるプレイでもない」と思っている方も少なくないだろう。確かにワンツー自体は小学生も使う基本戦術だ。だが、テレビで見た方、あるいは会場で見た方もアングルによっては本田のファインプレイを見逃している可能性がある。実際、中継ではダッシュする長友や、マークしていたサウジの選手に隠れて本田の足元は死角になっており、シンプルにボールをはたいただけの様に見える。 
だが、自由視点映像生成技術という新しいテクノロジーで制作された映像で確認すると、このワンツーに込められた本田のセンス、テクニックに気づくことができる。スタジアムに6箇所、別々のアングルに設置したカメラで一つのシーンを撮影し、それを合成することで、3DCGの様に自由に視点を動かしながら編集できる技術だ。プレステのサッカーゲームをイメージするとわかりやすいかも知れない(原口のゴールシーン以外でも、彼のドリブルが既存のテレビ中継とは全く違う印象で楽しめる)。この技術で制作された映像を見ると、テレビでは隠れていた本田の足元がしっかりと確認できる。長友からパスを受けた時、サウジのDFは本田にスペースも時間も与えない様にマークしている。単純にダイレクトではたくとDFに引っかかってしまいそうだし、トラップをすれば長友に戻すパスコースは遮られていたはずだ。そこで本田は身体の向きを巧みに変え、サウジDFの足が届かないタッチラインギリギリまでボールを呼び込み、ボールを狩りに来たDFの足をうまく交わして、ダイレクトでパスを出している。時間と空間を見事に使ったゲームメーカーらしい、巧みなプレイだった。このワンツーの前段階でも、右サイドにいた本田は原口とボールを交換しながらピッチを横断する形で左サイドタッチライン際まで移動している。縦にボールを動かすハリルホジッチのサッカーにアクセントをつけたところから、この原口のゴールが生まれている点にも注目すべきだろう。 今回作られたユニークな映像によって、一連のプレイを万人が認知し、共有するとワンツーの印象は違ったものになるはずだ。もちろん、本田圭佑が万全であったわけではない。自身も先発から外れたことで期するものがあるだろう。近年はサイドでのプレイ、ポイントゲッターという本来とは違う役割でのチャレンジを続けていたが、天職である中盤に戻って勝負に出ることを示唆している。中盤であれば彼のウィークポイントと言われるスピードもそこまで問題にはならないだろうし、縦に一辺倒になりがちな今の日本代表にバリエーションを付加できる可能性は高い。本田圭佑のセンスとテクニックによる巻き返しを期待したい。
今回の自由視点映像を制作したau BLUE CHALLENGEの詳細はこちら

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