◆プロボクシング スーパーバンタム級(55・3キロ以下)8回戦 〇中嶋一輝 (TKO3回2分39秒) 野村健太●(16日、東京・後楽園ホール)

 元WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・山中慎介氏がアンバサダーを務めた1月の「山中慎介presents GOD’S LEFT バンタム級トーナメント」を制した中嶋一輝(27)=大橋=が、1階級上のスーパーバンタム級で野村健太(23)=仲里=に3回TKO勝ち。プロデビューからの無敗を守った。戦績は9勝(8KO)1引き分け。

 3回、中嶋は左ボディーで相手のダメージを確信すると猛ラッシュ。連打から右フックで最初のダウンを奪った。大橋ジムで教えているちびっ子ボクサーらがスタンドで応援する中、立ち上がった野村をコーナーに詰めて再ラッシュだ。「最後は左ボディーアッパー」がヒット。カウントしていたレフェリーも続行不可能と判断して試合を止めた。

 「TKO勝ち? もうちょっとリラックスできたら、よかった。子供たちの応援は力になりました。かわいいですね」と笑顔の中嶋。1階級上の相手との体格差は「全然、感じなかった」と話した。

 「前の試合が悔しかったので、KOを狙っていた。悔しさはこれくらいじゃ晴れない」。1月の「山中杯」決勝戦で、堤聖也(24)=角海老宝石=と引き分けながら優勢点で上回って優勝。だが、初戦から連続初回KO勝ちだったハードパンチャーに笑顔はなかった。倒せなかったことだけではない。自分の思い描いた試合ができなかったのが悔しかった。それだけに、この日のTKO勝利には手応えをつかんだようだ。

 奈良・大和郡山市生まれ。芦屋大出身で、アマチュアで87戦72勝(30RSC・KO)15敗の実績をひっさげ、2017年5月にプロデビューしたサウスポー。現在、東洋太平洋バンタム級3位、日本同級5位とラックアップを続けている。リング上でのインタビューで「世界最強のチャンピオンになって、頑張りたい」と宣言した中嶋は、試合後の囲み取材では「デカイことを言ってしまいました」と照れ笑いを見せた。「来年には日本か東洋太平洋の王座を」と大橋秀行会長。2021年にはさらなるステップアップをした中嶋が見られそうだ。