「明日へのエールプロジェクト」の一環で、学生とアスリートが今とこれからを一緒に語り合う「オンラインエール授業」。第18回の講師は、ハンドボール日本代表として数々の国際大会で活躍し、強豪スペインリーグにも挑戦。日本リーグ・フィールドゴール数歴代1位を記録する宮﨑大輔選手だ。全国高校ハンドボール部の現役部員や顧問の教員など約80名が集まり、今のリアルな悩みや質問に答えた。

高校時代の経験が、今でも生きている

宮﨑さんは「こうして皆さんと会えるきっかけを与えてもらったので、楽しくやっていければと思います」と挨拶。徐々に学校生活が戻っていくなか、部活動をする時間が取れているのかを心配し、参加者からの現状に耳を傾け寄り添う。

まずは宮﨑さんの高校時代に触れると「高校時代が一番きつかった」と苦笑いを浮かべる。

364日、ハードな練習が続き、一度はハンドボール部を辞めようと思ったこともあったが「全国優勝を目標に日々、頑張っていた」と言うと「あの時のきつさに比べたら、今は何でも出来てしまうし、若いうちに色々やることで、その経験が今でも生きている」と、高校時代が財産になっていることを明かした。それは今を大切にしながら将来につなげて欲しいという宮﨑さんからのエールでもあった。

宮﨑さんのハンドボール人生のターニングポイントは高校卒業を間近に控えたときだった。

家族を助けるため就職を考えていたのだが、「恩師の松井(幸嗣)先生から、日本体育大学でハンドボールをやってみないかと誘ってもらった。悩んでいたとき、母親から『ハンドボールをしたいんだったら行っておいで』と言われ決意をした」と、自分の夢に対し背中を押してくれた家族に感謝をする。そして「日体大にいって良かった。世界を相手にハンドボールをすることが出来た。分岐点だったと思う」と振り返った。

「シュートを打つ時の駆け引きで意識することは?」という質問に対しては「角度、タイミング、高低差の3つの決めごとを意識すればキーパーと駆け引きしやすい」と回答。自らもシュートを外した時にはいつも考えるとのことだった

みんなを助けることで、みんなが助けてくれる

キャプテンを務める生徒から「チームをまとめる役目だが、ミスで落ちこみ、リセットできない時にはどうしたらいいのか?」という悩みについては、「ミスはつきもの。試合の流れはミスを減らすことで勝敗が決まる」と答えると、「自分はメンタルリハーサルをやっている。ミスした時にどうするかをリハーサルし、自分にとっての良い言葉、セルフトークを考える。悪い雰囲気はみんなに連鎖をしてしまうので、みんなを助ける声を出す。そうすることでみんなが助けてくれる」と実践で役立つメンタル強化を紹介。日本ハンドボール界の最高峰に立つ現役選手の言葉に生徒たちは大きく頷いた。

現在、39歳の宮﨑さんは去年、母校・日体大に異例の復学。勉強に励む一方、ハンドボール部では若いメンバーと共に汗を流し五輪出場を目指している。その入学理由などを問われると笑顔を浮かべながら次のように答えた。

「所属していた大崎電気と日本代表とでは、ポジションが違い運動量や技術面もまったく別なモノで、移籍を考えた時に、きついところ、体力を上げることを考えたら日体大が直ぐに浮かんだ(笑)。20歳以上も年下の選手とのプレーは、当初、大変な部分もあったが重要なのはコミュニケーション。環境を変化させることで成長できている」

宮﨑大輔が語る“明日へのエール”

最後に“明日へのエール”を求められた宮﨑さんは、自身が大切にしている2つの言葉を教えてくれた。

まず、1つ目は「限界を超えれば、次の限界が見えてくる。限界に限界はない」という言葉だ。今、自分がやっていることが限界なのかと自分に問いかけ、365日の目標を立てるのではなく、まずは1日1日を継続するために1日の目標を立てて行くことが大事だという。

そして、2つ目は「向き、不向きより、前向きに」という言葉だ。何事もやってみることが大切であり、進んで前向きにやることが個の成長につながって行く。やらされるのではなく自分からやることが重要となることを説く。

キラキラと光を放つ言葉を贈ると、全員でハンドボールのシュートポーズをとり記念撮影を行い、オンラインエール授業は終了した。

今後もさまざまな競技によって配信される「オンラインエール授業」。

これからも、全国の同世代の仲間と想いを共有しながら、「今とこれから」を少しでも前向きにしていけるエールを送り続ける。