東京オリンピック(五輪)のスポーツクライミング女子代表に内定している野口啓代(TEAM au)の実家に、国内屈指の練習施設が完成した。コロナ禍の中でも閉鎖されることがないプライベート壁とあって、1年後のメダル獲得へ強力な追い風になりそうだ。

 東京五輪で実施されるクライミングは「複合」という競技形式。15メートルの壁を登って速さを競う「スピード」、5メートルほどの壁に設けられた課題をいくつ登れたかの数を競う「ボルダリング」、12メートル超の壁に設定されたルートをどこまで登れたかの高さを争う「リード」の三つを、1人の選手が一日で全てこなす。

 今春、所属先の支援を受けて実家に建設されたのは、全3種類それぞれの専用壁だ。茨城県内の野口の実家はかつて牧場を営んでいただけに、敷地は広大。以前から父親手作りのボルダリング壁があり、中学生の頃からここで腕を磨いた野口にとっては「原点に帰れる場所」という。

 規模が大きなスピード壁、リード壁は数が少なく、練習場所の確保に苦労するクライマーは少なくない。室内に全種類の壁がそろった環境は日本では指折りの充実ぶりで、31歳の野口は「一日で3種目をこなす機会が増えて、(本番の)シミュレーションもできる。『自分はまだまだだったんだ』って、毎日実感させられまくり」と伸びしろを再確認。同じ「TEAM au」の所属選手たちもともに利用するといい、男子の金メダル候補、楢崎智亜は「世界的に見ても素晴らしい施設」とうなる。