2020年NPBも2週目に入った。注目は、この週からパ・リーグで始まった前代未聞の「同一カード6連戦」だが、いきなり極端な結果になっている。

<6月23日から6月28日までの1週間の成績>

【パ・リーグ】
○チーム成績
1 ロッテ6試合6勝0敗0分 率1.000
 打率.253 防率3.11
2 楽天6試合4勝2敗0分 率.667
 打率.324 防率3.33
2 西武6試合4勝2敗0分 率.667
 打率.271 防率4.67
4 日本ハム6試合2勝4敗0分 率.333
 打率.208 防率7.02
4 ソフトバンク6試合2勝4敗0分 率.333
 打率.224 防率6.48
6 オリックス6試合0勝6敗0分 率.000
 打率.211 防率5.22

 いきなりロッテがオリックスを「6タテ」。スイープはいつかは出ると思ったが、いきなりとは……。同じ球場で6連戦は一度できた流れを変えるのが難しいのかもしれない。

 オリックスは山岡泰輔が26日に先発してわずか3球でわき腹を痛めて降板するなど、不運もあった。

 負け越した3チームの防御率は極端に悪いことからわかる通り、ワンサイドゲームが多かった。特に日本ハムは6試合で43失点。27日には18失点と、前途多難である。

山川はソフトバンク6連戦で5発。

○打撃成績
<最多安打>
11安打:ロメロ(楽)

<最多本塁打>
5本塁打:山川穂高(西)

<最多打点>
12打点:山川穂高(西)

<最多盗塁>
3盗塁:荻野貴司(ロ)、和田康士朗(ロ)

<打率3傑(規定打席以上)>
1 ロメロ(楽).500
1 太田光(楽).500
3 浅村栄斗(楽).417

<RC(打撃総合指標)3傑>
1 山川穂高(西)9.91
2 ロメロ(楽)9.60
3 浅村栄斗(楽)8.39

 観客がいないこともあって、各選手の「出囃子」がよく響く。中でも山川穂高の「オジー自慢のオリオンビール」がやたら耳に残るが、6試合で5発とはものすごい。山川は開幕ダッシュが得意で、一昨年、昨年と開幕月(3、4月)にそれぞれ11本塁打しているが、今年はさらに加速している。

 オリックスはステフェン・ロメロを放出したのを後悔しているのではないか。楽天にきて大暴れで、ロメロだけでなく楽天は打線全体が好調だ。

 ロッテの荻野はすでに5盗塁。34歳にして初の盗塁王に向けて走っている。これを育成上がりの同僚、和田康士朗が追いかける。この争いも見逃せない。

楽天・則本が10K、弓削が無失点。

○投手成績
<最多勝利>
1勝:バンデンハーク・津森宥紀(ソ)、則本昂大・涌井秀章・弓削隼人・酒居知史(楽)、杉浦稔大・バーヘイゲン(日)、高橋光成・ギャレット・増田達至・小川龍也(西)、岩下大輝・小島和哉・ハーマン・田中靖洋・小野郁・東條大樹(ロ)

<最多セーブ>
2セーブ:増田達至(西)、益田直也(ロ)

<最多ホールド>
3ホールド:モイネロ(ソ)、嘉弥真新也(ソ)

<最多奪三振>
10奪三振:則本昂大(楽)

<防御率(規定投球回数以上)>
1弓削隼人(楽)0.00
2則本昂大(楽)1.29
2種市篤暉(ロ)1.29
4田嶋大樹(オ)1.48
5バーヘイゲン(日)1.50

<PR(投手総合指標)5傑>
1弓削隼人(楽)3.64
2岩下大輝(ロ)3.10
3則本昂大(楽)2.83
3種市篤暉(ロ)2.83
5田嶋大樹(オ)2.55

西武&ロッテ「ますだ」が2S。

 同一カード6連戦は、好調チームと不調チームがはっきりする傾向になる。そのためにチームが偏る傾向がある。楽天、ロッテ、西武の選手が目に付く。

 楽天のエース則本は、開幕戦で7回自責点1で勝利投手になったが、奪三振はわずか3だった。則本的には物足りない数字だったが、2試合目で10奪三振。ようやく本領発揮だ。楽天では2年目の弓削隼人が23日の初登板で6.2回を零封。期待に応えた。

 負け続きのオリックスではあったが、田嶋が27日に6.2回を自責点1。けなげに頑張っている。

 救援では、西武とロッテの両「ますだ」が2セーブ。ともに開幕から救援失敗なし。

よく打つDeNA、11被弾の中日。

【セ・リーグ】
○チーム成績
1 DeNA6試合5勝1敗0分 率.833
 打率.335 防率2.00
2 巨人6試合3勝2敗1分 率.600
 打率.273 防率4.33
2 広島6試合3勝2敗1分 率.600
 打率.286 防率2.89
4 ヤクルト6試合3勝3敗0分 率.500
 打率.244 防率4.33
5 阪神6試合2勝4敗0分 率.333
 打率.211 防率5.57
6 中日6試合1勝5敗0分 率.167
 打率.265 防率5.29

 DeNAが好調。37得点13失点。よく打ってしっかり抑えているから勝つのは当たり前だ。ラミレス監督は盗塁が好きではないようで、昨年12球団最少の40盗塁だったが、今年もまだ一度も成功していない(失敗は2)。

 中日は12球団最多の11被本塁打。被弾によって試合を失うことが多い。

岡本和真、オースティンが安打量産。

○打撃成績
<最多安打>
12安打:岡本和真(巨)、オースティン(De)

<最多本塁打>
3本塁打:岡本和真(巨)、鈴木誠也(広)

<最多打点>
7打点:オースティン(De)、山田哲人(ヤ)

<最多盗塁>
2盗塁:山田哲人(ヤ)、増田大輝(巨)、近本光司(神)

<打率3傑(規定打席以上)>
1 オースティン(De).480
2 宮崎敏郎(De).478
3 岡本和真(巨).462

<RC(打撃総合指標)3傑>
1 岡本和真(巨)8.96
2 オースティン(De)8.53
3 宮崎敏郎(De)7.76

 昨年やや足踏みした感のあった巨人・岡本和真が当たっている。長打力にはもともと定評があったが、今季は安打も増えていて、なおかつ右方向に良い当たりが出ている。右越本塁打はすでに2本。広島・鈴木誠也の前評判が高かったが、この2人は個人成績でも競り合うのではないか。

 DeNAでは新外国人のオースティンが快打を連発しており、ソトも好調だ。負傷の影響も考慮されたであろうとはいえ、外国人枠の関係でロペスがスタメンを外れる事態も起きている。

セの先発は好投が多かった一方で。

○投手成績
<最多勝利>
1勝:大瀬良大地・森下暢仁・九里亜蓮(広)、今永昇太・濱口遥大・坂本裕哉・平良拳太郎・井納翔一(De)、サンチェス・戸郷翔征・澤村拓一(巨)、青柳晃洋・伊藤和雄(神)、スアレス・中澤雅人・長谷川宙輝(ヤ)、吉見一起(中)

<最多セーブ>
2セーブ:デラロサ(巨)、山崎康晃(De)

<最多ホールド>
3ホールド:石田健大(De)

<最多奪三振>
9奪三振:九里亜蓮(広)

<防御率(規定投球回数以上)>
1 今永昇太(De)0.00
1 濱口遥大(De)0.00
1 九里亜蓮(広)0.00
1 高梨裕稔(ヤ)0.00
1 坂本裕哉(De)0.00
1 スアレス(ヤ)0.00
1 サンチェス(巨)0.00
1 青柳晃洋(神)0.00
1 秋山拓巳(神)0.00

<PR(投手総合指標)5傑>
1 濱口遥大(De)3.74
2 今永昇太(De)3.59
3 九里亜蓮(広)3.14
3 高梨裕稔(ヤ)3.14
5 大瀬良大地(広)3.04

 セ・リーグでは今週、先発して6回以上0封した投手が9人もいた。それでいてリーグ防御率は4.04。つまり救援投手がよく打ち込まれたということになる。

山崎康晃が初の牽制球後に……。

 6月25日ヤクルト-阪神戦の阪神・藤川球児、6月27日のDeNA-阪神戦のDeNA山崎康晃と絶対的なクローザーが被弾して黒星を喫した試合もあった。

 6月27日の山崎はプロ入り6年、306試合目で初めて牽制球を投げた。しかしその直後に逆転弾を食らった。どんな心模様があったのか、興味深い。

 ここまで12球団通じて「完投」は2。広島の大瀬良大地が2試合連続で完投しているだけだ。各球団が過密な日程に配慮して、先発投手を温存する傾向にある中、佐々岡新監督は大瀬良だけは最後まで投げさせている。

大瀬良が2試合連続マルチ安打!

【まとめ&記録備考】
 メジャーリーグのように両リーグ、打投の週間MVPを選出するとすれば、以下のようになるだろう。


打:山川穂高(西)
投:弓削隼人(楽)

打:岡本和真(巨)
投:今永昇太(De)

 広島の大瀬良大地は、2度目の先発だった6月26日も4打数2安打。通算で7打数4安打1本塁打3打点。打率.571。昨年まで通算打率.121だから、突然の打撃開眼だ。彼の打撃がどうなるのかも注目したい。

 先週1つも勝てなかったオリックスだが、セットアッパーは優秀で先週だけでもリーグ最多の9ホールドを挙げている。しかし試合展開を追うと終盤に逆転されることが多い。要するにクローザーが固定できていない。実績があるはずの増井浩俊、ディクソンが現時点で機能していないのが、最大の泣き所だといえるだろう。

 梅雨時にもかかわらず、雨天中止はここまでなし。昨年の同じ日付では2試合が流れている。梅雨も後半に入ったが、今季の厳しいスケジュールを考えると、少々の雨でも試合は強行されるだろう。選手たちには過酷な日程が続く。

(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)