高校野球の発展や選手の育成に長年にわたって尽力した人に日本高野連と朝日新聞社が贈る「育成功労賞」。和歌山県内からは県和歌山の監督や県高野連理事長などを務め、現在日本高野連理事の中村尚登さん(65)が選ばれた。

 中村さんは桐蔭で投手として活躍し、3年夏には和歌山大会優勝に貢献。紀和大会で惜敗するも、甲子園まであと一歩に迫った。早稲田大学教育学部に進学し、卒業後、教職の道へ進んだ。「自分は野球に育ててもらった。恩返しがしたかった」との思いから、20年以上にわたり県内の高校で監督や部長を務めた。県和歌山商(和歌山商)の部長だった2007年には、選抜高校野球大会出場に貢献した。08年から4年間、県高野連理事長を務めた。

 これまでを振り返り、「選手が自信を持ってプレーできるよう、それぞれの良いところを見いだしてあげようと指導してきた。高校野球での2年半は社会に出た後に生きる。自分の財産をたくさん持たせてあげたかった」と話す。受賞については「指導者として甲子園に何回も行ったわけではない。自分にはもったいない賞です」。

 現在は日本高野連理事として、コロナ禍への対応に当たっている。「自分の原点は和歌山の監督。地方のこと、現場のことを伝えるのが自分の役割と思い、発言している。日本の高校野球がよりよくなる手伝いをしていきたい」と話した。(滝沢貴大)