浜松工でエース&主将の重責を担うのが杉田蒼希投手(3年)だ。181センチの長身から投げ下ろす最速141キロの直球を武器とし、すでにプロのスカウトも視察に訪れているという。祖父・久雄さん(71)は浜松商、中大を経て70年にドラフト1位で東映入りした右腕で、10年間で通算19勝をマーク。「身近にプロだった人がいるのは励みになる。自分も大学経由でプロを目指したい」と力を込める。

 1年夏の大会後、「自分を変えたい」と決意し、杉山正美監督(59)の自宅敷地内の寮で生活を始めた。元々食が細く入学時は63キロほど。1日4000キロカロリーをノルマに“食トレ”に挑み、71キロまで増量に成功した。昨秋、3か月の離脱を強いられた右肘故障も完治しており「下半身が安定していいボールが増えてきた」実感がある。「自分は力で押すタイプ。三振を取って抑えたい」と快速球で相手をきりきり舞いさせていく。

 新型コロナウイルスの感染拡大による休校期間は指揮官と共に朝6時に起床後、散歩、勉強、近所の河原で練習と、隙のないスケジュールで過ごした。「こってり絞りました」と杉山監督。寮では監督の「1人1品」指令を受けてハンバーグ作りにも挑戦し、「けっこう上手にできました」と料理の腕も一段上がった。

 代替大会(7月11日開幕)の初戦は同12日、同じくプロ注目の強肩捕手・二俣翔一(3年)を擁する磐田東と対戦。1回戦屈指の好カードとなった。今年度いっぱいで定年を迎える指揮官にとっても今大会は“最後の夏”となる。右腕は「寮でもずっとお世話になってきたし、優勝で恩返ししたい」と感謝の気持ちを体現する構えだ。(武藤 瑞基)