◆JERAセ・リ-グ ヤクルト0―12巨人(28日・神宮)

 巨人が13安打今季最多12得点の猛攻でヤクルトに快勝した。2回2死満塁から、1番で今季初スタメンの増田大が押し出し四球を選び先制。2番に入った丸も右前2点打を放ち、ヤクルト先発・山田大をKOした。坂本、岡本も適時打で続き、この回一挙5点。好調の打線が序盤で試合を決め、首位を守った。

 相手に与えたダメージは、1点以上の価値があった。増田大は必死に食らいついた。2回2死満塁。ヤクルト先発・山田大の前に5球でフルカウントとなる。そこからカット、カット、カットで3球粘る。迎えた9球目、低めの直球を見極めて押し出しの四球を選んだ。「とにかく必死につなげていくことだけ、その一点でした」。まさに執念でもぎ取った、という表現がぴったりの先制点だった。

 原監督の抜てきに応えた。自慢の足とこの日も4ポジションを守った万能性でチームを支える男が、この日は「1番・二塁」で今季初先発。「先頭として出塁することだけ」を考えて臨んだ通り、初回先頭でも右前安打でチャンスメイク。4回にも快足で相手の失策を誘った。1安打2四球2得点の活躍に、指揮官は「(2回の)四球は非常に大きかった。(初回)先頭の安打よりもはるかに価値のある打席だった」と称賛した。

 “伏兵”がたぐり寄せた流れに、主軸も乗じた。続くは丸だ。1ストライクから外寄りのスライダーを痛烈にはじき返し、右中間へ2点適時打だ。坂本、岡本も適時打で続き、この回打者10人4安打5得点。5得点以上のビッグイニングは今季早くも3度目で、早々に試合を決めた。

 「久しぶりに芯に当たった感じです。バンザーイな気分ですね」。背番号8が珍しく声を弾ませたところに、現状の苦しみも垣間見える。この試合前まで打率1割2分9厘とまさかの不振。自らの状態を「めちゃめちゃ悪い」と言い訳せずに認め、焦りを封印するように「一気に良くなるものじゃない。練習でいろんなことを確認し、試合で出せるようにするしかない」と前を向く。

 27日にも球場入りすると真っ先にティー打撃をしていたヤクルト・青木の元を訪れ、間の取り方について身ぶり手ぶりを交えて打撃論を聞くなど、トンネルの出口を探す。これで4戦連続安打。相手先発が左投手とあって、2、3番を今季2度目の「マル・サカ」とした原監督は「だいぶ球を呼び込んで、自分のポイントで打てるようになっていた」と復調を感じている。この日はバンザイだった両手がくっついてマルポーズになる日も、遠くはない。

 今季最多タイ13安打、同最多12得点の猛攻でカード勝ち越しを決め、開幕から9戦で6勝2敗1分けとした。それでも原監督は「この(開幕直後の)時期はチームがなかなか安定してない。まだ何が起こるか分からないという中で試合を運んでいるのが現状だね」と冷静に見つめる。誰が出ても、安定した強さを求めて。個人ではなく、巨人で勝ち抜いていく。(西村 茂展)