現地時間6月25日に開催されたプレミアリーグ第31節で、マンチェスター・シティがチェルシーに敗れ、リバプールの30年ぶりとなるトップリーグ制覇が決定した。

 89-90シーズン以来遠ざかっていたリーグタイトル、プレミアリーグとなってからはクラブ史上初の戴冠。その悲願達成に大きく貢献したのが、不動の左サイドバックとして活躍するアンディ・ロバートソンだ。

 現在26歳のスコットランド代表DFは、2017年の夏にレッズの一員となって以来、ユルゲン・クロップ監督の標榜するゲーゲンプレス戦術を体現するアグレッシブさと無尽蔵のスタミナを武器に攻守両面で貢献してきた。

 だが、彼の人生は決して平たんなものではなかった。現地時間6月17日に英紙『The Sun』は、ティーンエージャーだった頃のロバートソンに脚光を浴びせた。

 12歳で、高いポテンシャルを買われ、母国の超名門セルティックのアカデミーに加入したロバートソンだったが、3年後に「小さすぎる」という身体的理由でクラブを追われると、セミプロに相当する4部のクイーンズ・パークに移籍した。

 しかし、交通費しか支給されない同クラブでは、雑貨店『M&S』の販売員や地元クラブのスタジアムで案内係を務めるなど、アルバイトを掛け持ちしていたという。

 窮状にあった当時をロバートソンは、こう振り返っている。

「ベルギー代表がスコットランド代表と試合をしに来た時には、僕はスタジアムで、あのコンパニーにマッチデープログラムを渡したりしていた。またある時は、『M&S』の女性用下着売り場で販売員もやってたよ。シフト的にスタッフがいないときはね。この時は、さすがに僕の人生はゴミだと思っていたよ」

 それでも腐らずに努力を重ねたロバートソンは、13年にダンディー・ユナイテッドと初めてプロ契約を交わすと、わずか1年後にプレミアリーグのハル・シティへ移籍。そして、リバプールにステップアップを遂げたのである。

 文字通りのシンデレラストーリーを描いてきたロバートソンは、優勝決定後、英公共放送『BBC』のインタビューに次のように答えている。

「チャンピオンになったという感覚は素晴らしいよ。でも一度きりではなく、僕は常にそれを望んでいる。それが次のシーズンへの原動力になるからね。僕にとっては信じられないような冒険だったけど、後ろを振り返るつもりはないよ」

 リバプールのクラブ史に名を刻んだロバートソン。いまだ成長の余地を十二分に残している男のパフォーマンスから目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部