◆JERAセ・リ-グ DeNA6―8阪神(27日・横浜)

 阪神がサンズの逆転3ランで連敗を3で止めた。1点を追う9回2死から起死回生の逆転3ラン。負ければ1998年以来22年ぶりの開幕3カード連続負け越しとなる危機を、この日1軍に昇格した新助っ人が救った。マルテが先制犠飛、ボーアも来日初打点&初盗塁とハッスル。助っ人野手「MBS」のそろい踏みで、今季2勝目を挙げた。

 阪神ナインの絶叫が横浜の夜空にこだました。1点を追う9回2死一、二塁。サンズが山崎のツーシームを完璧に捉えた。打球は左翼席へ。来日初安打が値千金の逆転1号3ランとなった。「正直言ってうれしい」。ベンチ前では興奮のあまり、エアタッチがハイタッチになる場面もあった。

 6月の練習試合では打率1割7分4厘と不振で開幕2軍スタート。それでも腐らず、ファームでは打席で前傾姿勢になっていた部分を修正してきた。この日昇格し即スタメン。4打席目まで無安打2三振といいところがなかったが、土壇場で大仕事を成し遂げた。

 昨年は韓国リーグで打点王を獲得。オフには韓国残留か日本行きで悩んだが、「自分の実力を試したい」と阪神入団を決断した。3月下旬からは異国の地で新型コロナウイルスによる自粛期間を経験したが、ソフトボール経験のあるモーガン夫人と汗を流し、家の中では5歳と3歳になった息子と初めてのキャッチボールを楽しんだ。毎年母の日には母、祖母、妻、妻の母に花を贈る家族思い。「チームに貢献できたことが一番良かった」と、人柄がにじみ出るコメントで喜んだ。

 アジアの文化に精通するサンズは日本の野球をリスペクトする。「野球は野球。日本の野球も今までやってきた野球と同じ」。日頃からSNSを駆使して日本の投手を研究。山崎に対しても「自分なりに情報収集して、スプリット、ツーシームがいいと聞いていた」と胸を張った。

 阪神の助っ人野手3人がスタメンに名を連ねるのは15年10月2日のヤクルト戦(神宮)でのマートン、ゴメス、ペレス以来で、3人がそろって安打&打点を記録するのは球団史上初。22年ぶりの開幕カード3連敗も阻止した“MBS砲”の主役は「これからも応援よろしくお願いします」とテレビの前の虎党に呼びかけた。エドワーズの登録抹消で巡ってきたチャンス。もうスペアとは言わせない。(中村 晃大)

 ◆ジェリー・サンズ(Jerry Sands)

 ★生まれとサイズ 1987年9月28日、米国生まれ。32歳。193センチ、102キロ。右投右打

 ★球歴 カトーバ大から08年のドラフト25巡目(全体757位)でドジャース入団。11年にメジャーデビューし、61試合に出場。レイズ、インディアンス、Wソックス、独立リーグを経て、18年途中に韓国ネクセン(現キウム)入り

 ★親友 元巨人のジョシュ・フィールズ。阪神入団が決まり、連絡してNPBの情報を収集した

 ★好物 カツ丼。韓国でも食べた経験はあるが、来日するにあたり、“本場”のカツ丼を食べることが楽しみだった

 ★夢 満員の甲子園でプレーすること。インスタグラムでは昨季のサヨナラ場面集やマートン、ブラゼルら過去の助っ人の映像を見てイメージを膨らませている