「明治安田生命J2、東京V1-1町田」(27日、味の素スタジアム)

 新型コロナウイルスの影響による中断が明けて約4カ月ぶりに再開し、東京Vは町田に終了間際のPKで追い付き1-1で引き分けた。全試合が無観客で行われ、大宮は1-0で千葉を下し、昨季J1の松本は金沢と0-0で引き分けた。今季は1試合の交代枠を3人から5人へ拡大するなど特別ルールが採用され、J2は上位2チームがJ1に昇格し、J3への降格はない。J1は7月4日に再開し、同10日以降は段階的に観客を入れる。

 がらんとした空間が広がるスタジアムに声が良く響く。スタンドにファン・サポーターの姿はなく、東京Vの永井監督は「不思議な感覚」と表現した。ただ、声のトーンはどんどん白熱し、激しいコンタクトの音まで聞こえてくる。ピッチから発せられる音が4カ月ぶりの公式戦再開を何よりも証明していた。

 感染症予防の対策を徹底しての再開となった。ベンチでも距離を開け、両監督もマスクを着用。試合前には医療従事者への拍手を送り、試合が始まった。開始早々の前半3分、町田MF平戸が「思い切り振り切れた」という豪快ミドルで先制点を決めると、チームメートと腕や拳をぶつけて得点を祝福した。

 Jリーグが作成したガイドラインで共有が禁止された飲水ボトルだが、飲みきりサイズのペットボトルを使用する方法を採用。試合前の円陣禁止、ミーティング方法も制限されるなど、変更点は少なくないが、平戸は「再開前の練習試合でシミュレーションしていたので、特に意識せずやれた」と語った。

 「東京クラシック」と名付けられたダービーマッチ。後半ロスタイムには、東京VのMF藤本がPKを沈めて同点。勝ち点1を分け合う形に、両チームともに満足感はない。ただ東京VのFW井上の言葉が全選手の思いを代弁していた。「この緊張感などは何にも変えられないなと。幸せです。ここに立っているのが、一番良い瞬間です」。