◆JERAセ・リ-グ ヤクルト3x―1阪神(25日・神宮)

 漆黒の夜空に舞う放物線を見届けると、球児はマウンド上でしゃがみ込んだ。勝利まであと1死まで迫った1点リードの9回2死一、二塁。代打・西浦に甘く入った145キロの直球を左翼席に運ばれた。「チーム全体であと1死までいって…。勝ちたかった」。今季初セーブとカード勝ち越しが水の泡と消え、守護神は悔しさをあらわにした。

 藤川のサヨナラ被弾は、16年6月10日の日本ハム戦(札幌D)でレアードに逆転2ランを打たれて以来4年ぶり。通算5本目で、逆転サヨナラアーチは、そのレアード以来2本目の屈辱だ。矢野監督は「最後は球児に任せるというところで、この負けは仕方がない。次もいってもらうよ」と変わらぬ信頼を口にした上で「打線がもっと点を取らんとね」と2試合連続で1得点の攻撃陣を敗因に挙げた。

 チームは13年以来、7年ぶりの開幕2カード連続負け越しで、借金はワーストの4に膨らんだ。まだ始まったばかりとはいえ、投打の歯車がかみ合わない展開が続き、早くもライバル球団に取り残されつつある。

 藤川は通算250セーブにあと7で開幕を迎えたものの、まだ一歩を踏み出せていない。「相手が上回ったと思う。悔しいし絶対にやり返します」と力強くリベンジを誓った。指揮官も「一人一人の状態を上げていかないと。何とか流れを変えにいきます」と26日のDeNA3連戦(横浜)からの逆襲に気持ちを切り替えた。コロナ禍で遅れたペナントレースで、猛虎が早くも苦境に立たされた。(表 洋介)