◆リーガエスパニョーラ第31節 Rマドリード2―0マジョルカ(25日、マドリード)

 【マドリード(スペイン)25日=岡野誠子】マジョルカの日本代表MF久保建英(19)が、Rマドリード戦にフル出場し、圧巻の3人抜きドリブルなどを披露した。試合は0―2で敗れ、無得点に終わったものの、期限付き移籍元のRマドリードのジダン監督の前で改めて存在感を発揮。スター軍団に臆することなく、果敢に仕掛ける19歳を、地元メディアも高く評価した。

 燃えないはずがなかった。首位・Rマドリードに真っ向から挑み続けた。2点を追う後半17分。久保はクロースを小回りなターンで振り切ると、セルヒオラモスとメンディの狭い間をダブルタッチで強引に突破。暴れるボールを足元に収めて、迷わず右足を振り抜いた。シュートはわずかにゴール右に外れたが、ゴールを脅かしてみせた。Rマドリードから期限付き移籍している久保に、ジダン監督は「彼は素晴らしい試合をした。俊敏でいつもゴールを探していた」と評価した。

 見せ場は前半22分にもあった。ゴール正面約25メートルでFKを獲得。左足で直接狙ったが、ゴール上へ外れた。それでもボールを持てば相手を翻弄させ、チャンスを作った。終盤には久保を潰そうとタックルしたRマドリードの選手が、相次いで警告を受ける場面もあった。

 スペインの各メディアも久保を称賛した。地元紙「マルカ」は「自ら仕掛けて技術を披露していた。彼には貴重な個性と魅力がある」と絶賛し、ライバル紙「アス」も「全体的に素晴らしい。ジグザグのドリブルからサイドネットを突き刺すシュートをした」とたたえた。さらに、Rマドリードの専門メディア「デフェンサ・セントラル」では、「将来的に加入する十分な理由を見せた。計り知れないクオリティーだ」と紹介し、高く評価した。

 昨年8月にマジョルカに移籍。武者修行先で成長を見せる久保の来季去就について、ジダン監督は「彼のプレーについて驚きはしない。将来のことはもっと先になってから考える」と明言は避けたが、マジョルカのモレノ監督は「タケはよく学び、よく聞き、改善している。将来、マドリーのようなチームでプレーできる。いらないというのなら、私は彼のような選手がいつも欲しい」と、ステップアップするだけの力を認めている。得点の形で結果は残せなかったが、アピールには十分の試合内容だった。

 ◆久保の来季移籍動向 スペイン紙「アス」は24日、フランス1部パリSGを始め、少なくとも30クラブ以上が獲得意思を示していると報じた。パリSGは昨夏に年俸400万ユーロ(約4億8000万円)でオファーし、これまでに断られていたという。5月末には、スペインメディア「デフェンサ・セントラル」が、獲得に向けて2000万~2500万ユーロ(約24~30億円)を準備していると報道。24日付の「アス」は、今月に入ってパリSGのスポーツディレクターが再交渉をしたというが、移籍違約金を2億5000万ユーロ(約300億円)に設定していると伝え、拒否したと伝えた。現在、Rソシエダード、ベティスなどスペイン国内のみで10チーム以上が交渉。また、オランダのアヤックス、イタリアのACミラン、ラツィオ、スコットランドのセルティックなど国外からも獲得を巡って注目が集まっているという。