楽天ファンから愛されたゼラス・ウィーラー内野手(33)が、池田駿投手(27)とのトレードで巨人に移ることが25日、発表された。楽天史上初めて、外国人ながら副キャプテンを任された男が、東北を去る。

 ウィーラーは、大リーグ・ヤンキースから2015年に楽天入り。強打と強肩を生かした三塁の守備が評価され、定位置をつかんだ。加えてチームメートに愛されたのは、その感情豊かな性格だ。

 控えになっても、味方が得点すれば若手よりも先にベンチ前に出て行って跳びはねる。エラーをしたら、試合中なのに悲壮感を漂わせるほどへこんでしまう。そんな姿と、アニメ「ハクション大魔王」のキャラクターに似た風貌(ふうぼう)で、ファンの心もつかんだ。

 だが、仙台で迎えた6年目の今季は試練のシーズンだった。練習試合こそ1軍でプレーしたが開幕前に2軍落ち。オリックスから加わったロメロとの争いに敗れた結果だった。

 楽天の石井一久ゼネラルマネジャー(GM)は「どうしても外国人が(出場枠から)あふれる。彼がプレーできる機会(球団)をこちらから探していた」。話がまとまったのが、一発のある打者を求めていた巨人だった。

 昨季のセ・リーグ王者は、ナショナルズ時代に「サメダンス」で話題になったパーラを獲得。開幕2戦目から2戦連続本塁打を放っているが、「中距離打者」というのが首脳陣の評価だ。今の打線で、本格的な長距離打者は岡本和真くらい。2月に長打力を秘めるモタを育成から支配下登録したがまだ粗く、計算できる戦力とは言えない。

 今季は新型コロナウイルス対策の特例で外国人選手を5人まで1軍に登録できる。巨人は開幕から野手の外国人はパーラ1人で、中継ぎのビエイラが降格した3戦目以降、外国人枠が一つ空いた状態だ。

 原監督は「若い外国人もいるにはいるんだけど、いい補強をしてくれた。野性味があふれる選手で、間違いなく戦力になってくれる」。ウィーラーの主戦場の三塁には岡本がいることから、一塁や左翼での起用が想定される。

 トレード成立を受け、ウィーラーは楽天を通じ「東北で5年半プレーできたことは私や私の家族の人生に大きな変化をもたらした。ただ私には選手として、まだやらなければならないことがある」とのコメントを発表した。新天地で活躍し、古巣との日本シリーズを――。楽天ファンは、きっと、そう願っているはずだ。