◆JERAセ・リ-グ 巨人1―5広島(24日・東京ドーム)

 特大弾の儀式だった。「甘いところを待って、一発で仕留められた」と胸を張ったのは鈴木誠だ。初回2死一塁。メルセデスの直球をたたいた。確信ありの先制3号2ラン。左中間席上段を見つめながら、ゆっくりダイヤモンドを一周した。

 2ボールから3球目の直球を空振り。「ボールが来ている。もう少しタイミングを早くと思った」とすぐに修正し、最高の結果につなげるから見事だ。メルセデスには3年連続で本塁打。連敗を2で止め、貯金1としたチームとしても通算8戦5勝とお得意さまだが「いい投手。みんなが積極的に振れている結果だと思う」と敬意も忘れなかった。

 自身初の打撃タイトルを獲得したのが昨年だった。首位打者と最高出塁率。充実のシーズンを終え、12月にソフトバンク・内川へ電話をした。「1人でやってみようと思うんです」。16年から自主トレに参加し、同じ右打者として尊敬する大先輩。翌年から独り立ちの決意を伝えると「どんどんやってみればいいよ。何かあれば、いつでも相談に乗るから」と優しく背中を押してくれた。

 「どういう打者になりたいの?」と問われ「内川さんみたいに、打つ確率を上げたいです!」と目をキラキラさせていた若者。目覚ましい成長を遂げ、侍ジャパンの4番を背負うまでになった。「まだ始まったばかり。特に意識はしてないです」と謙遜しても、開幕から5試合で3発。7打点とともにリーグトップの好発進だ。令和初の3冠王。そんな偉業を夢と思わせない雰囲気が、背番号1には漂っている。(長田 亨)