「ヤクルト6-1阪神」(24日、神宮球場)

 待望の一打がやっと出た。阪神の新助っ人、ジャスティン・ボーア内野手(32)が七回、開幕から19打席目で来日初安打を放った。前日には球団の新外国人選手の開幕からの連続無安打記録を塗り替えてしまったが、この1本をきっかけに変わってくれるはず。この日投打ともに精彩なく敗れたチームを救ってくれ!

 メジャー92発の実績を誇る男が、たった1本の安打で思わず見せたガッツポーズ。それこそがボーアの苦悩の日々を表していた。

 開幕19打席目で飛び出した待ちに待った初安打に阪神ベンチがこの日、一番とも言える盛り上がりを見せる。一塁ベース上で“ボーアガッツ”を決め、笑顔で親指を立てるサムアップポーズも決めた。ただ、これは歓声とともに拍手で祝福するチームメートに応えたものだ。

 中前に打球が弾んだのを確認した瞬間、一塁へ走りながら右拳を握ったガッツポーズ。これこそが、素直な喜びと安堵(あんど)感から自然と飛び出したものだった。

 「試合に負けた悔しさの方が強いけど、まずは1本打てたことは良かった」。努めて冷静に話したボーアに待望の1本が出たのは、無観客の球場に六甲おろしが流された“ラッキー7”の第3打席。この回から登板した清水の外角に沈む変化球をはたいた打球が、ライナーで中前に飛んだ。

 四回の第2打席では見逃し三振に倒れた。外角への変化球を自信満々に見送るも、球審はストライクのコール。天を仰いだ背番号41は、納得のいかないような表情のままベンチへと戻った。

 その時点で、前日に更新したバースの持っていた球団新外国人開幕連続無安打ワースト記録は18打席に。苦難を乗り越えての一打に、矢野監督も「本人が一番苦しいし、早く1本出したいというのがあったはず。この1本で気分が変わってくれるきっかけになってくれたら」と願う。

 4番候補として推定2億7500万円で獲得した大物助っ人だ。もちろんこの1本で満足してもらっては困る。この日の初安打は右腕からで、左腕相手には春季キャンプから25打席無安打が続く。

 「いつか必ず結果が出ると信じて取り組んでいる。とにかくもっと勝ちたいし、そのために自分の仕事をして貢献していきたい」。バースと同じく不名誉な記録でスタートしたボーア。“神様”の再来と呼ばれる男に虎党が望むのは、本家B砲のような豪快な一発だ。