新型コロナウイルス感染拡大によって遅れていた米大リーグの開幕がやっと決まった。ウイルスに加え、黒人差別問題で揺れる米国で、労使がともに条件闘争を続けてきた。

 5月12日、機構側が初めて出した開催案は7月4日開幕の82試合だった。しかし、予想も付かない無観客試合となることで3月に取り決めた試合数比例の年俸を破棄し、最大70%以上の削減案となり、今回の紛争が始まった。機構側が6月17日に年俸の試合数比例制に歩み寄ったものの60試合にとどめたことで、フル年俸の37%止まり。70試合で43%を目論んだ選手会は「10試合分」の差を最後まで詰め切れず。過去の労使紛争では解決する場合にほとんど機構側が譲歩していたが、今回は最終的に選手会側が矛を納める形での解決となった。

 ただ、機構と選手会の溝が完全に埋まった訳ではない。莫大な金額となっているポストシーズンの放映権などを含め各球団の経営状況の開示などを拒否、また、ドラフトの上位指名権獲得のために、低迷したシーズン終盤に負け続ける“タンキング”の横行など、選手会の機構への批判はとどまらない。

 今回の労使紛争が来年末の労使協定改訂は大荒れになるのは必至と米メディアが伝える。そして、2022年に選手会ストライキでシーズンが危ぶまれる事態も浮上してきたことも伝えられており、大きな禍根を残した事は間違いない。(蛭間 豊章=ベースボール・アナリスト)