ディスタンスの問題は別にして、ナポリの街はコッパ・イタリア優勝に沸いた。6年ぶりのトロフィーは、ナポレターノ(ナポリっ子)たちを高揚感に包み込んだ。

 幸福感を一瞬で台無しにされたのが、サルバトーレという名の青年だ。街中で愛するチームの優勝を祝っていた彼は、突然3人組の暴漢に襲われた。拳銃を突き付けられ、乗っていたスクーターを奪われたのだ。

 襲撃の瞬間をとらえていた映像がインターネットで出回り、サルバトーレさんの事件は世間にも知れ渡ると、彼の元に新しいスクーターが届けられた。突然の贈り物に、サルバトーレさんが驚きながらも喜んだのは言うまでもない。

 当初は贈り主が誰かは分からなかったが、しばらくしてナポリでキャプテンマークを巻くロレンツォ・インシーニェによるサプライズだったことが判明した。『Corriere dello Sport』などイタリア・メディアによると、『Radio Marte』が明かした主将の“神対応”を知り、サルバトーレさんは感謝のメッセージを送っている。

「チャオ、ロレンツォ。僕はサルバトーレだ。『Radio Marte』で君からの素晴らしいプレゼントをもらったよ。本当にありがとう。フォルツァ(がんばれ)、ナポリ。あと、可能なら、サイン入りのユニホームとか、会えたらうれしいな。できたら、ね。とにかくありがとう!」

 ナポリ出身ゆえに批判を浴びることも少なくなく、地元ファンとの亀裂を報じられることもあったインシーニェだが、故郷への深い愛は確かだ。ロックダウン中も慈善活動や、SNSを通じてエールを送るなど、ナポリの街とその人々への想いを示してきた。

 笑顔で感謝を述べるサルバトーレさんの言葉は、サイン入りのユニホームも贈られるかは分からないが、インシーニェの心を温めたことだろう。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部