阪神は23日、7月10日からの有観客試合開催に向け、ウエスタン・リーグのオリックス戦(甲子園)で試験的に観客を動員した。入念な新型コロナウイルス感染対策を取った上で、ファンクラブ会員228人が入場。新しい観戦スタイルを阪神担当の中村晃大記者が「見た」。

 甲子園に、少しだけ“日常”が帰ってきた。セ、パの公式戦で観客動員が可能となる7月10日に向けた12球団最初のテスト。事前応募で選ばれたファンクラブ会員300人のうち228人が来場し、バックネット裏席に案内された。約10席の列に着席は原則的に2人まで。マスク姿で、観客同士は最低でも2席以上の間隔を空けた。声を張り上げての応援は禁止だったが、スタメン発表時や阪神ナインの安打時には自然と拍手が起きた。

 7月10日以降に可能になる最大5000人規模の入場を想定してバックネット裏の座席配置が指定されたが、本番はアルプス席を使わず内、外野席のみを使用するという。応援歌のないメジャースタイルの観戦では選手同士の掛け声、打球音や捕球音を感じられる。西宮市の25歳女性は「普段聞こえない音が聞こえるのは、すごく新鮮でした」と臨場感に目を輝かせた。

 一方で違和感を覚える人もいた。7回裏の攻撃前の「ラッキー7」の演出では音楽に合わせて上空にジェット風船を発射するのが甲子園名物の1つだが、今年は飛まつ感染のリスクがあるため禁止。球団はジェット風船がデザインされたタオルを掲げることを推奨しているが、タオルを持っていたのは数人だった。西宮市の会社員(36)は「盛り上がりに欠けるんですけど、今は仕方ないですよね」と漏らした。

 球団はこの日のテストを検証し、売り子の有無や消毒液の配置などの改善策を練る。満員の甲子園に戻る第一歩として、有意義な一日になった。(阪神担当・中村 晃大)

 ◆観客席での主な感染防止対策

 ・マスク着用を義務化

 ・サーモグラフィーによる検温(37.5度以上の場合は入場禁止)

 ・タオルを振り回すなどの行為禁止

 ・ハイタッチ禁止

 ・ジェット風船、フラッグの使用禁止

 ・声を張り上げての応援禁止

 ・鳴り物応援禁止

 ・14日間のチケット半券保持のお願い(感染者が出た場合の濃厚接触者把握などのため)

 ・売り子はマスクや手袋をして対応。声を出しての呼び込みはせず、受け渡し前の消毒徹底