◆JERAセ・リ-グ 巨人3―2広島(23日・東京ドーム)

 巨人が5年連続負け越している広島との初戦をものにし、3年ぶりの開幕4連勝を飾った。先発した戸郷が7回途中4安打2失点で先発初勝利を挙げた。巨人で開幕から4試合連続で先発に白星がつくのは1983年の西本、定岡、江川、加藤初、西本の5試合連続以来37年ぶり。2年連続リーグ制覇へ絶好のスタートダッシュとなった。

 最後までどちらに転ぶか分からない接戦で戸郷が待望の先発1勝をつかんだ。「何とか抑えてくれという思いで待ってました。先発で長く投げて1勝できたのはうれしかった。緊張、プレッシャーはありましたけど、それがより力になった」と胸をなで下ろし、リリーフ陣に感謝した。昨季まで5年連続負け越しの天敵・広島との初戦。しかもカード頭を託された高卒2年目の20歳が、大きな仕事をやってのけた。

 初回からアクセル全開で立ち向かった。先頭のピレラ、続く安部をともにスライダーで空振り三振。最速は152キロを計測し、2点を勝ち越した直後の6回は3者連続で空振り三振に抑えるなど計7つの三振を奪い7回途中4安打2失点。好投手のK・ジョンソンとの投手戦を制し、原監督を「相手のバッティングカウントの時も変化球でカウントを取れたりね。そういうのもあったから、狙い球は絞りづらかったと思うよ」とうならせたが「(7回の西川の)ホームランが悔いが残っている。自分の中では気にくわないところ」と回の途中で降板した反省も忘れなかった。

 巨人の高卒2年目以内で開幕6戦目までに白星を挙げるのは87年の桑田真澄以来33年ぶりの快挙。しかし、指揮官の求めるレベルはまだ先にある。「戸郷の場合は毎回チャレンジャーという気持ちで向かっていくことがとても大事だと思う。まだスタートしたばかりだし、当然あぐらもかけなければ、鼻も伸びる状態ではない。また同じような精神状態でマウンドに立つということが大事なことだと思うね」と今後のさらなる飛躍に期待を寄せた。

 子供の頃から憧れたユニホームでの先発1勝は、忘れられないものになるだろう。宮崎の自宅で見るのは決まって巨人戦の中継だった。ただ見るだけではない。母・ヒトミさんの教えで投手が投げるボールに対してタイミングを取りながら素振りを繰り返した。ヒトミさんは「最初は捕手だったんですけど、『捕手だから打てないってどうなの?』って言って。兄がすごく打つので、それも刺激にさせてました」と笑いながら振り返った。阿部や亀井に憧れていた戸郷少年はテレビを食い入るように見つめ、配球なども学んで成長につなげたという。

 まだシーズンは始まったばかり。「広島を抑えたということが自信につながったと思う。どこのチームでも倒せるように、1勝1勝積み重ねられるように頑張っていきたい」。冷静で力強い発言が、何とも頼もしい。(河原崎 功治)