<ヤクルト1-4阪神>◇23日◇神宮

勝つって最高だ! 阪神が開幕からの連敗を3で止め、会心の今季初勝利を挙げた。初回に3番糸井が先制打を放つと4番マルテが1号2ラン。開幕3試合目から組む新中軸が、3戦4得点だった打線を元気づけ、12安打4得点を導いた。マルテは昨季も大山の代役4番で奇跡の大逆転CSを導いた“福の神”。矢野監督も「苦しんだ分、うれしい」と喜びをかみ締めた。リモート応援のファンもうれしい20年初の六甲おろし。今日も勝って歌うぞ。

   ◇   ◇   ◇

ついに勝った。待ちに待った20年初勝利。無観客で六甲おろしは響かない。それでも虎ナインは満面の笑みでエアハイタッチを交わした。その中心には新4番マルテの姿があった。

開幕から3連敗。暗い雰囲気を一振りで一掃した。1回先頭近本が右越え二塁打。3番糸井の適時二塁打でまず1点だ。そして息つく暇なく、マルテがイノーアの9球目、高め149キロ直球を引っ張った。「この瞬間を待っていた。とてもうれしい時間だったよ」。打球は大きな弧を描いて左中間最深部に着弾。開幕3試合でわずか4点だった打線を1号で元気づけ、12安打4得点の快勝を導いた。

昨年8月10日。開幕から4番を務めてきた大山に代わり、来日後初めて主砲の座を任された。2発を含む打率3割超えの大活躍で、チームの6連勝&奇跡のCS進出を導いた。今季も不振のボーアに代わり、開幕3戦目の巨人戦から4番で出場。「100%の力で毎日戦うこと。それが今日はできた」。2年連続代役4番はまさに“福の神”。新3番糸井とのイトマルコンビが頼もしさ全開だ。

来日2年目の今季は勝利への貪欲さが増した。春の沖縄・宜野座キャンプでは連日、全体練習開始前に早出特守。外国人では異例の行動で三塁を争う大山に対抗心を燃やした。母国ドミニカ共和国から専属トレーナーを同行させ、体のケアも徹底。球団公式YouTubeでは、「マルテ先生のスペイン語講座」を開設。母国語を通じてファンと交流を深めてきた。みんなに愛される真摯なキャラがチーム内の信頼を増し、20年シーズンを迎えている。

3回にはフェンス直撃の左安打を放ち、6回にも再び左前へ運んで猛打賞。連敗ストップを託された青柳を、バットで勇気づけた。

開幕4戦目、12球団最遅でやっとつかんだ初勝利。矢野監督も心から喜びをかみ締めた。「うれしいよね。苦しんだ分。もちろん、これでよかったということはまだないので、こっからスタートにできる勝ちにしていく」。負ければ95年以来の4連敗だったが、新4番が白星を導いた。「アリガトウゴザイマス」。試合後のヒーローインタビューでは、冗舌な日本語で喜びを爆発させた。さあ今日も勝って2連勝。イトマルで態勢を立て直した矢野阪神が反攻に出る。【只松憲】

▽阪神井上一樹打撃コーチ(糸井とマルテについて)「ある意味マルテ様様というところもあるし、(糸井)嘉男も開幕から良い状態を維持してくれている。彼らが調子を維持している間に他のメンバーも調子を上げてほしいですね」

▼阪神の4番マルテが3安打2打点の活躍で今季初勝利。開幕3戦目からボーアに代わって4番に入ったが、昨季も不振の大山に代わり8月10日から4番を務めた。4番では35試合に出場し打率3割1分5厘、2本塁打13打点。マルテは昨季3、5、6、7番も打ったが、1試合だけの3番を除けば打順別では最も高い打率を残した。チームもマルテが4番に入った試合は19勝15敗1分け、勝率5割5分9厘と勝ち越し。逆転CS進出に貢献した。