米大リーグ機構(MLB)が、試合数や報酬面で選手会との合意なしに今季を強行開催する可能性が高まった。22日(日本時間23日)、選手会が役員会を開き、17日にMLBから提示された60試合制案を反対33票、賛成5票で否決。これを受け、球団オーナー側はMLBのマンフレッド・コミッショナーに、試合数や日程の決定判断を委ねる決議を全会一致で可決した。

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約1カ月にも及ぶ交渉も、労使の溝は埋まらなかった。シーズン開催にあたり、報酬面と試合数で対立を続けてきたMLBと選手会は結局、合意に至らなかった。4度目のシーズン開催案となる60試合制を選手会に拒否されたMLBは、オーナー陣との協議でマンフレッド・コミッショナーに試合数や日程を決定させることを全会一致で可決。合意がないまま、開幕する見通しとなった。

選手会側は、3月26日に試合数に応じた年俸日割りによる報酬で合意済みとの立場を、一貫して崩さなかった。一方で、MLBとオーナー側は、無観客による収入減を考慮し、選手報酬のさらなる減額を求めていた。互いの主張は押し問答のように続き、一度は選手会が交渉を打ち切り。合意に至らなかった場合、コミッショナーには試合数や日程について決定権があったが、その後、選手会のクラーク専務理事と直接面会。トップ同士で交渉を再開させた。しかし、交渉は好転することなく、今季開催はMLBトップの最終判断に委ねられる状況となった。

今シーズンはコミッショナー権限の行使で開催する形となるが、現時点で開催場所や方法などの詳細は決まっていない。新型コロナウイルスの感染リスクも依然として残っている。MLBは、選手会への確認事項として、<1>7月1日までにキャンプが再開できるか<2>MLBが作成した感染予防マニュアルについて了承できるかの2点を提示し、米東部時間の23日午後5時(日本時間24日午前6時)までに回答するよう求めた。

米報道によれば、選手会側はこの2点を受け入れる見通しで、MLB側は7月24~26日ごろから60試合を開催する意向があるとしている。マンフレッド・コミッショナーに判断が委ねられている一方で、クリアにすべき課題は多い。開幕は近づいているが、選手会には異議申し立ての権利を残しており、予断を許さない状況は続く。

<MLBここまでの経緯>

3月12日 3月26日の開幕を延期すると発表。

4月7日 MLBと選手会が、5月からアリゾナ州で全30球団が集まりキャンプ再開を検討。アリゾナ、フロリダ2州開催案も出る。

5月12日 MLBが7月4日開幕を目指した82試合開催、ポストシーズン拡大、選手の大幅減俸案を作成。

同26日 MLBが、報酬に関する案を正式に選手会に提出。高額年俸選手ほど減額の割合が大きくなるスライド方式が提案され、選手側が反発。

同31日 選手会が、114試合開催の対案提出。報酬は減額せず、正規年俸の日割り満額を主張。

6月3日 MLBが選手会の対案を却下。

同4日 選手会のクラーク専務理事がMLBの報酬案を拒否する声明を発表。

同8日 MLBが76試合、満額の75%報酬案を選手会側に提示。

同9日 選手会が89試合の対案提出。日割り満額の報酬要求は変わらず。

同12日 MLBが7月14日の開幕で72試合、報酬70%、ポストシーズン全開催なら80%の報酬案を提示。

同13日 選手会がMLBの案を却下し、対案は出さないと発表。

同17日 マンフレッド・コミッショナーと選手会のクラーク専務理事が直接会談し、MLBから60試合の開催案を提示。

同18日 選手会が7月19日開幕で70試合を要求。

同19日 MLBが今季開催なら60試合が上限と選手会に通達。

同22日 選手会が60試合開催案を拒否し、MLBが60試合の強行開催をオーナー全会一致で決定。

(日付は現地時間)