新型コロナウイルスは、地域の社会人スポーツクラブの活動にも練習の休止や試合の延期などの影響を与えている。和歌山県内の各クラブは、感染防止対策などに工夫をしながら、もとのようにスポーツができる日に向けて準備を進めている。

 6月上旬、和歌山市内のグラウンドで社会人サッカーチーム「アルテリーヴォ和歌山」の練習が行われていた。最高気温が28度に達したこの日、選手たちは練習の合間に積極的に水分を取っていた。水を入れたボトルには番号が書かれたテープが貼られ、それぞれ自分の背番号のボトルを手に取っていた。共有で使う物をできる限り減らす、新型コロナ対策という。

 リーグ戦は4月に開幕予定だったが、8月に延期された。チームは4月上旬から5月まで練習を休止。個々で自主トレなどをし、その後、少人数での練習を経て、6月から全体練習を再開した。加納錬主将は「みんなでサッカーができるということに改めて感謝している」と喜ぶ。

 新型コロナの影響はグラウンド外にも及ぶ。経営の柱の一つとしてスポンサー料があるが、企業などへ新規の営業に回るのは厳しい状況だ。クラブでは、新型コロナの影響で試合などができない子どもたちのために、ボールを使った遊びを紹介する動画を「YouTube」にアップしている。動画の冒頭に広告枠を設けることで、少しでもスポンサー料を得ようと工夫をしているという。

 野球の関西独立リーグに所属し、田辺市が本拠地の「和歌山ファイティングバーズ」も、4月上旬の予定だったリーグ戦が延期された。大きな問題が約20人いる選手たちの生活面だった。アルバイトで生計を立てている選手が大半だが、アルバイト先が休業し、食費に困る選手もいたという。

 支えてくれたのは地元の人たちだ。農家や建設会社からアルバイトで雇いたいと申し出があった。チームの田所洋二代表は「こういった形で応援してもらい、地域のあたたかさを感じた」と語る。リーグ戦は6月13日に開幕。今月のホーム戦は無観客で実施するが、来月からは客を入れて観戦可能とする予定で、プレーを見てもらうことによる恩返しを目指しているという。

 バスケットボールの社会人チーム「和歌山トライアンズ」では、社会人リーグで戦うトップチームは、リーグ戦前半の開催中止が決定し、9月末に再開される予定だ。また現在は、小・中学生向けのスクールも練習ができない状態。永広敏之代表は「バスケで『3密』を回避するのは難しい」とする一方、「スポーツチームとして新型コロナの後に社会貢献できるような策を考えたい」と話した。(藤野隆晃)