<巨人7-1阪神>◇21日◇東京ドーム

「はな垂れ小僧」だった男が、父の日に最高のプレゼントを贈った。巨人岡本和真内野手(23)が、阪神3回戦(東京ドーム)で今季1号2ランを放った。前日に続き、2戦連続で決勝点をたたき出した。阪神相手に開幕3連勝は史上初。伝統の一戦で幕を開けた20年シーズンも「2代目若大将」の勢いは止まらない。

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幼少期、両親からは「はな垂れ小僧」と呼ばれていた。岡本は「よく鼻水ばかり垂らしていたのでね。そんな風に言われていましたね。全然うれしくなかったですけど(笑い)」。友人たちからのニックネームは特になかった。親からの愛情あるあだ名は、懐かしい記憶の一片だという。

そんな奈良の両親を思う特別な日。父の日だった。「ここまで育ててもらいましたし、ゆるい家なので、伸び伸びとさせてもらえてよかった。父の日、母の日は贈ってます。何を? プライベートなんで(笑い)」。1点を追う4回無死一塁。阪神先発ガルシアの143キロツーシームを右中間へ運んだ。前日に続く決勝打は逆転の1号2ラン。「出ないより、出た方がいい」と鼻息を荒くした。

鼻水を垂らしていた少年は、今年から「2代目若大将」の名を授かった。

岡本 僕なんかまだまだ。いわゆる大将って、丸さんや坂本さんのことですよ。柔道とかでも、大将戦あるやないすか。僕はまだまだ中堅のようなものです。若大将ですから。

鼻を触りながら、照れても“父”は“子”の成長を疑わない。自らの愛称「若大将」を授けた原監督は「非常に自立心の中でね、自分の野球スタイルを確立させようというものが非常に強くなってきましたね。取り組む姿勢というのが非常に1ランク2ランク上がったなという感じはしますね」と鼻高々に言った。

「奈良県から来ました、ジョニー・デップです」。1軍初昇格した際の自己紹介で、先輩の爆笑を誘ったのは1年目。キャリアを重ね、不動の4番まで上り詰めた5年目。19年6月4日楽天戦で6番に下がり、原監督に「ビッグベイビー」と呼ばれたことも懐かしい記憶。“父”のような指揮官、坂本、亀井、丸ら多くの“兄”的存在から愛情深く見守られ、気付けば、ギュッと黒帯を締める89代4番。誰もが認める大将へと成長していく。【栗田尚樹】