<サッカー、あのときの一言~40>

Jリーグは6月27日のJ2再開とJ3開幕、7月4日のJ1再開を発表しました。約4カ月ぶりに迎えるその時を前に、日刊スポーツでは歴代のJリーグの選手、監督、関係者から生まれた言葉をピックアップ。あの日、あのときの印象的なシーンを振り返ります。

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「サポーターに認めてもらわないと、喜びってないんだよね、若い選手って、特に」

主将として鹿島アントラーズを率いた、19年シーズンのDF内田篤人(32)の言葉だ。開幕戦で昇格組の大分トリニータに敗れ、第2節では川崎フロンターレに引き分けた。試合後、一部サポーターからのブーイングを受け、内田はスタンドに向かっていった。

その理由のひとつが“若い選手のため”だった。後日、内田に話を聞くと、前述の言葉が返ってきた。振り返ると、川崎F戦後の内田は、ミックスゾーンで若い選手を思いやる発言を繰り返していた。

この試合で先発に抜てきされたDF町田浩樹(当時21)については「こういうしびれるゲームをやっていくと、嫌でも成長する。隣で成長させていかなきゃいけない。190センチの左利きのセンターバックなんて、そういないよ。そういうのもちょっと、楽しみだったり」。

その年の夏にバルセロナに移籍したMF安部裕葵(当時20)については「練習中の強度を見ると、Jリーグでプレーするレベルではないなあと思う。走れるし、戦えるし、技術あるし、楽しみだよ。これからだよ」などと、目を細めて話していた。

サポーターに向かっていった場面については「若い選手がああやって行くわけにはいかないし、俺が行くしかないよ。サポーターに応援してもらったら頑張れるもん、俺らは。自分の名前、呼んでもらえたら頑張れる」と振り返っていた。若手の成長を促そうとする内田の、熱い気持ちが見えた場面だった。