「ヤクルト6-2中日」(20日、神宮球場)

 ナインたちの思いが、大きな実を結んだ。ヤクルト・高津監督へ贈る初白星は3発の祝砲と共に-。「素直にうれしい。ウイニングボールは、もう部屋に飾りました」。指揮官の喜びが表情を伝う。2軍監督時代に手にした初白星のウイニングボールの隣に、そっと並べられた。

 勢いをつけたのは強力打線だ。初回。山田哲が無死一塁から2戦連発となる先制2ランをバックスクリーンへ運ぶと、1アウトを挟んで若き主砲・村上が右中間席上段へ。球団史上最年少で開幕4番を任された村上にとっては7打席目で飛び出した一発に、「まずは1本出てよかったです」とホッとした表情。いきなりのアベック弾で中日の度肝を抜くと、三回には塩見も今季1号で続いた。

 高津監督には、大切な約束がある。今年2月に恩師である野村克也氏が急逝。突然の訃報に瞳は潤み、何度も目頭を押さえた。指揮官が誓ったのは野村イズムの継承だった。

 「まだ監督として、僕は未熟者。鼻で笑われて終わりだろうけど、でも一つ勝ったことは報告したい」。天国で見守る亡き恩師へと届ける1勝。最下位からの逆襲はここから幕を開ける。白い歯を見せる高津監督の周りには、笑顔の選手たちであふれていた。