<ソフトバンク2-3ロッテ>◇20日◇ペイペイドーム

ソフトバンク柳田悠岐外野手(31)が規格外の今季1号本塁打を放った。ロッテ2回戦の6回先頭で、ロッテ種市からバックスクリーン中段へ推定140メートルのソロ弾。チームは接戦を落とし、2戦目で今季初黒星となったが、頼れる主砲の豪快アーチは今季の快進撃を予感させた。

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柳田は打った瞬間にゆっくりと、そして鮮やかにバットを投げ捨てた。一塁ベースに悠然と向かう。ギラついた目で打球の行方を追った。バックスクリーン右の中段席に着弾。今季初安打は推定飛距離140メートルの衝撃アーチ。「自分のいいスイングができたし、ド真芯で完璧に打つことができました」。1点を追う6回無死で一時は同点となるソロ本塁打。「過去にも完璧なホームランは数回しかないけど、その中の1つって感じです。でも今日のは完璧でした」。横浜スタジアムのバックスクリーンを破壊したこともある男にとって、自画自賛の20年1号になった。

ベンチ前ではさっそうと小走りで、片手を上げ仲間とエアタッチ。練習試合から披露している、手の親指と人さし指でLの字を作るポーズを見せた。開幕直前に「今が一番いい」と心技体の充実を明かしていたが、その言葉をバットで証明した。

無観客でスタートした今季。テレビの前で声援を送るファンの思いが少しでも届くようにと、ペイペイドームではさまざまな工夫が凝らされている。場内ビジョンにメッセージが表示されるほか、スタンドにはまるでその場で観戦しているかのように顔写真が並ぶ。さらにこの日は攻撃時に、手拍子や笛の音、歓声を交ぜた「バーチャル声援」が場内に流された。柳田は開幕前に「早くファンの方に来られるようになってほしい」と話していたが、限られた状況の中で心をひとつに戦おうとしている。

チームは今季2戦目で初黒星。鷹を引っ張る柳田は「チームは負けてしまったけど、明日から1戦1戦、戦っていくだけです」と気持ちを切り替えた。6月の練習試合12戦で6本塁打した勢いはシーズンでも衰えない。120試合でどこまで打つのか。期待を膨らませる大アーチだった。【山本大地】