「DeNA1-5広島」(19日、横浜スタジアム)

 監督初勝利の味は格別だった。広島・佐々岡監督は頼もしい選手を笑顔で迎える。大瀬良が期待に応え完投。攻撃陣は今永を攻略し、八回に守備固めとして起用した三好が超美技で失点を防いだ。一丸でもぎ取った記念星だ。

 「現役のときの初勝利もここ横浜だった。うれしいですね」

 横浜入りする前には尾頭付きの鯛を食べた。故郷の島根から広島へ移した母の墓前にも手を合わせた。準備を整え迎えたこの日。試合前には「野球ができることに感謝しよう。カープの野球をやれば結果は出る。信じてやろう」と選手に声を掛け、グラウンドへ送り出した。

 指揮官は選手との垣根を設けない。力を出し切れる環境づくりも監督の役割と自覚し、積極的にコミュニケーションを図ってきた。「野球は一人ではできない。助け合い。それは現役の頃から思っていたこと」。「一体感」をチームの根幹に掲げる理由だ。

 監督として初めて臨んだ昨年の秋季キャンプ。ウオーミングアップに身が入っていない投手を見つけると静かに声を掛けた。柔らかな雰囲気が気の緩みにつながれば成長はない。優しさの一方で厳しさも忘れない。

 コーチ陣を信じ戦い抜く覚悟だ。打順の多くは朝山打撃コーチらが考える。不慣れな攻撃の采配は高ヘッドコーチらの助言を受けながら決めていく。同ヘッドは開幕延期期間にノートパソコンを購入。試合を見返すなど相手のデータや特徴を把握することに努めた。指揮官を懸命にサポートしている。

 過去に例のない過密日程のシーズンを、支え合いながら乗り越えていく。「良いスタートが切れた。こういう集中した野球を続けていきたい」。日本一という大きな目標へ、佐々岡監督は大きな一歩を踏み出した。