サンフレッチェ広島の元選手、森崎和幸さん(39)が「広島を元気づけるために」と、お好み焼き1000枚を一般の人に無料配布したことは大きな反響を呼んだ。昨秋出版した書籍の印税で購入し、お好み焼きには感謝の気持ちを込めた直筆の手紙も添えた。20年間、サンフレ一筋でプレーし、18年に引退。現在はクラブリレーションズマネジャー(C・R・M)を務める森崎さんに聞いた。

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 森崎さんがお好み焼1000枚を無料プレゼントしたのは今月8日から14日まで。サンフレッチェ広島のスポンサーで親交のある「みっちゃん総本店」の協力を得て実施した。森崎さんは日替わりで八丁堀本店やじぞう通り店の店頭に立ち、1日100~200枚のお好み焼きを一般の人に手渡した。

 -この企画を行うことになったのは。

 「去年出版した本(うつ白)の印税をどこかに寄付したいと思っていた中で、新型コロナの問題が起こり、何か自分も力になれることがあるのではという思いがあった」

 -お好み焼きを配ろうと思ったのは。

 「外出自粛している時、自宅でみっちゃんのテークアウトを食べたら、とてもおいしくて元気が出た。広島の皆さんにも食べてもらって元気になってほしいと思った」

 -施設などに寄贈するのではなく、道行く人たちに振る舞った。

 「僕は選手時代にとてもいい思いをさせてもらったが、それは広島の皆さんの支えがあったから。どこかで恩返ししたいとずっと思ってきた。今回、自分が生まれ育った広島の街もコロナで暗いニュースばかりだったので、少しでも皆さんに笑顔になってほしかった。お好み焼きを手渡す時、笑顔で受け取ってくれたので逆に僕も元気をもらった」

 -昨秋、弟の浩司さんと兄弟でうつ病を告白する書籍「うつ白」を出版した。その印税を充てたのは。

 「現役時代、(うつ病で)苦しい時にたくさんの人に支えてもらい、また、多くの人にこの本を買っていただいた。そういう方への感謝の気持ちも伝えたかった」

 -J1は7月4日に再開する。チームにはどんな期待を。

 「選手はコンディションを整えるのに苦労していると思うが、そういう難しい状況の中でも自分の持っている力を100%出し切ってほしい。チーム作りは城福監督がしっかりと考えてやってくださっているので、僕はクラブの方が少しでもいい方向へ行くように力になりたい。経営的にも厳しいが、苦しい時ほど、だれかのためになる行動をしていくことが大事。今回のことも僕個人というよりは、サンフレッチェを代表してやらせてもらったと思っている」

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 お好み焼きに添えられていた森崎さん直筆メッセージ全文

 「広島の皆様へ 新型コロナウイルスが広がり、大変な時期が続いています。この数カ月で私たちの生活は大きく変わってしまいました。ですが、そんな中で、たくさんの皆様がこの状況に立ち向かって下さっています。

 医療の最前線で未知なるウイルスと戦って下さっている医療従事者の皆様。いつも通りお店を開き、生活を支えて下さっている皆様。荷物が増えても時間通り届けてくれるドライバーの皆様。学校が休みで外に出たくても、ちゃんとおうちで我慢しているみんな。

 皆様へ感謝の気持ちをお届けします。広島の皆様に元気と笑顔になってもらえたら嬉しいです。あともうひと踏ん張りと希望をもって一緒に乗り越えていきましょう。がんばろう、広島。サンフレッチェ広島C・R・M 森崎和幸」

 ◆森崎和幸(もりさき・かずゆき)1981年5月9日生まれ。広島市出身。現役時代のポジションはMF、DF。177センチ、75キロ。小学2年の時、双子の弟・浩司(現広島アンバサダー)とサッカーを始め、97年に広島ユースに入り、00年に広島入団。同年に新人王を獲得。18年に引退するまで通算3度のJ1優勝に貢献。20年間広島でプレーし、18年に現役引退。Jリーグ通算成績は504試合出場、22得点。