-Ballpark Tripの記事一覧はこちら- 近年、野球場のグルメが進化している。有名店舗が球場内へ店舗を出すことも珍しくなくなり、様々なメニューを楽しむことができるようになった。とは言うものの、衛生面の問題などもあり、生ものを取り扱っ…

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 近年、野球場のグルメが進化している。有名店舗が球場内へ店舗を出すことも珍しくなくなり、様々なメニューを楽しむことができるようになった。とは言うものの、衛生面の問題などもあり、生ものを取り扱っている店舗は多くない。

 しかし中日ドラゴンズの本拠地であるナゴヤドームでは、一塁側3Fの大幸横丁内にある回転寿司の「知多海」(ちたみ)で生ものの最高峰と言ってもいい、お寿司を食べることができるのである。

【回転寿司の「知多海」(ちたみ)の外観】

 知多海はナゴヤドームから30分ほどの守山区大森に本店を構えている。本店は回転寿司ではなく、カウンターとテーブル席のある一般的なお寿司屋さんだ。ナゴヤドーム店はナゴヤドームが開場した1997年にオープン。ここまで歴史をともにしてきた。

 現在ナゴヤドーム店を切り盛りしている太田泰店長は5年目から在籍。それまでは本店ではなく、東京で10年ほど修行を積んでいた。しかし、ナゴヤドーム店がオープンしてから5年目に店舗が広くなり人手が不足。そのために修行から戻ってきたのだという。

【仕事の様子】

 お寿司といえば気になるのはやはりネタだろう。太田店長によると「本店とナゴヤドーム店ともに三河で獲れたものを使っています。価格設定が違うこともあり、本店とすべてが同じネタというわけではないのですが、一般的な回転寿司よりは上質なものを使っています。もちろん本店と同じネタのものもあります」とのこと。かなり本格的なネタを提供しているようだ。

【実際に回ってくるお寿司に食欲がそそられる】

 ナゴヤドームでは18時開始のナイトゲームの場合、16時の開場と同時に知多海にはファンが詰めかける。「野球を見たい人は16時から18時の間にさっと食べて行きますね。ゆっくりしたい人は試合が始まってから来店します」と太田店長は教えてくれた。もちろん店内にはモニターがあり、テレビ観戦しながら寿司をつまむことはできる。※ナイター時は、外向き営業あり(12:00~15:50(Lo.15:20)※時間は変動あり)

 また、知多海では焼酎のボトルキープができる。太田店長によると「回転寿司だから回転を上げたいというのは正直あります。でも、ゆっくりお酒を飲みたいお客さんも多く、そのニーズに合わせているのです」と顧客ニーズを大事にしているとのこと。回転を上げるだけではなく、顧客の心をつかむ店舗の取り組みということだ。それが”憩いの場”へと繋がっているということは想像に難くない。

【テイクアウトできるお弁当も販売している】

 ホームページを確認するとわかるが、自分の座席で食べられるテイクアウトの商品もある。だが太田店長に聞くと、圧倒的にここで食べていくファンが多いという。やはり目の前で職人さんに握ってもらう、寿司の醍醐味を味わいながら食べたいという思いが強いのだろう。

【笑顔でポーズをとってくれた太田店長】

 筆者は取材を含めて1週間の間に2度にわたり足を運んだが、店内はいつも賑わっていた。しかし太田店長は「球場にお客様が入らないと(知多海の)客数も伸びません。そのためにも中日ドラゴンズにもっと頑張ってもらいたい! 」とチームへ笑顔で叱咤激励をする。

「球場で寿司を食べる贅沢」ができる知多海。ナゴヤドームへ通い慣れている常連の方はもちろん、その他の地域から遠征で足を運ぶファンもぜひ堪能してもらいたい。ナゴヤドームの開場以来20年以上に渡ってファンから愛され続けているお寿司は、病みつきになるはずだ。

(記事:勝田聡)