<サッカー、あのときの一言~33>

Jリーグは6月27日のJ2再開とJ3開幕、7月4日のJ1再開を発表しました。約4カ月ぶりに迎えるその時を前に、日刊スポーツでは歴代のJリーグの選手、監督、関係者らから生まれた言葉をピックアップ。あの日、あのときの印象的なシーンを振り返ります。

「1秒くらい時が止まったような感覚だった」。

19年1月、当時横浜に所属していたFW李忠成が、11年アジア杯決勝のオーストラリア戦で決めたボレーシュートについて振り返った。

延長戦までもつれた熱戦にけりをつける一撃だった。DF長友佑都がボールを持って左サイドを駆け上がる。クロスに合わせようと1度はニアに走り込もうとしたが、相手DFがついてきたのを見てすっと引いた。「自分でも気持ちわるいほど落ち着いていた。(クロスで)向かってくるボールの縫い目が見えたような感じ」。完全フリーの状況を作り出しての、クロスが上がってからの1秒間だった。

日本代表に初選出されて臨んだ同大会は、1次リーグ初戦で途中出場して以来の出番だった。試合後の「自分がヒーローになると思い続けていた」という力強い言葉は名言として語りぐさとなったが、その陰で結果への重圧とも戦っていた。