ズラタン・イブラヒモビッチがいないことで、自分がチームにとって重要な存在となることは、よく分かっていたはずだ。だが、ミランのアンテ・レビッチは期待に応えることができなかった。

 ミランは6月12日、イタリアサッカー界のシーズン再開初戦となったコッパ・イタリア準決勝第2レグで、ユベントスと敵地で対戦した。ホームでの初戦で1-1と引き分けていたミランはゴールが必要だったが、試合はスコアレスドローで終了。17日の決勝に進んだのはユーベだった。

 前半早々にミランはPKを献上してピンチを迎えた。キッカーはクリスチアーノ・ロナウド。だが、守護神ジャンルイジ・ドンナルンマの好セーブもあり、C・ロナウドが蹴ったボールはポストに嫌われ、ミランは事なきを得る。

 しかし、安どのため息をついた直後、ミランとそのサポーターはレビッチに落胆させられた。なんと背番号18はボールを追いかけた先で高く足を上げ、ダニーロに“カンフーキック”を見舞ったのだ。このプレーでレビッチは一発退場。ミランは再開初戦で1時間以上を数的不利で戦わなければならなくなった。

 出場停止でイブラヒモビッチが不在のミランは、純粋なCFが不在。終盤に若いラファエウ・レオンらを投入するまでは重心を下げて国内最強チームと対峙しなければならなくなった。

 実際、翌日の現地紙は数的不利を招いたレビッチに、厳しい評価を突き付けた。『Gazzetta dello Sport』紙は10点満点中4点をつけ、「退場後にミランが10人でより良くなったことを考えれば、ベストプレーヤーに選ぶべきかもしれない」と皮肉った。

「だが、ミランとダニーロにとって高くつくかもしれなかった狂気だ。イブラ抜きでCFと、ただでさえ簡単でなかった夜なのに…」

 また、『Corriere dello Sport』紙は3点とさらに手厳しい。「何を考えたんだ?イブラもああいうカンフースタイルをすることがある。だが、ボールに向けてであり、相手の胸めがけてではない」と酷評した。

「まだ頭に血が上るはずもない15分強での狂気。彼が去り、イブラが出場停止で、ミランはCFがいなくなってしまった」

 2020年になってから得点を量産し、評価を高めていたレビッチ。最悪のリスタートを切ってしまったクロアチア代表アタッカーは、セリエAの残り試合で汚名を返上できるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部