<本田圭佑の言葉~(10)>

日本代表として3大会連続でW杯に出場したFW本田圭佑(33=ボタフォゴ)は、強烈なリーダーシップを発揮しながら世界の頂点を目指してきました。日刊スポーツでは密着取材を続けてきた元番記者が「本田の名言 トップ10」を独断と偏見で選出。その発言の背景を振り返ります。最終回は1位の発表です。

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「俺は孤立している。あえてね」

あれは14年W杯ブラジル大会を目前に控えた時期だった。日刊スポーツの独占取材に応じた本田は、日本代表の現状を語りつつ、所属していたACミランの成績が上向かないことに少しいら立っているようでもあった。取材はじょじょに熱を帯び、出てきたのがこの言葉だった。

「俺は(ミランで)孤立している。あえてね」-。

一気にまくし立てた後に、こう続けた。

「昔、日本代表でとっていた行動と一緒ですよね。コイツ、何やろうな? と。自分を持っているな、と。試合へのアプローチも全部、自分のやり方で集中しているな、と。そういう風に(周囲の仲間に)思わせているわけです」

低迷していたとはいえ、当時のACミランにはそうそうたるメンバーがいた。ブラジル代表としてW杯優勝を経験したMFカカ、オランダ代表でW杯準優勝のデヨング、イタリア代表のFWバロテリにエルシャラウィー。世界的に知名度のある選手にも迎合することなく、チーム内で異彩を放ち「勝ちたい」という強烈なオーラを醸し出していた。

「ACミランですよ。我々は。勝者のメンタリティー、1番になりたいという意欲があるヤツが、どれだけいるのか?」

それは日本代表でも同じだった。代表定着する前から自己主張し、不動の存在になってからも年上の選手でさえも臆せずに意見を投げかけた。孤立を恐れず、時には愚直なまでに信念を貫き通してきた。

本田の言葉は、時には難しいように聞こえることもあるが、その根底は真っすぐだ。ただ勝ちたい、ただ世界一になりたい-。

少年のような思いが、言葉の奥に潜んでいる。(終わり)