国歌演奏時に起立せず、ひざをつく。下を向き、右拳を上げる……。米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は8日、オリンピックの舞台では処分対象になりかねない選手の抗議活動を容認する姿勢を示した。

 米ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行されて死亡した事件を機に、黒人への差別問題が米スポーツ界でも再燃している。USOPCのサラ・ハーシュランド最高経営責任者(CEO)は選手数百人と意見交換し、黒人選手の意見に寄りそう環境をつくると宣言。選手中心のグループを立ち上げて、選手の抗議活動の権限を含めた組織内のルールなどに、人種の壁や不平等がないかを見直すという。

 ハーシュランドCEOは声明で、「この数十年間、(黒人選手は)変化を求めて公平性や連帯を訴え、表彰台の瞬間までも犠牲にした。一方、私たちは耳を傾けず、差別や不平等を許してきた。申し訳ない。黒人の命は大切だ。みなさんの意見を採り入れ、壁を取り払い、ルールが変わるように取り組む」と選手たちに約束。一方で「世界中でも変化が起きるよう訴える」と宣言した。米国ではスポーツ選手の抗議活動も積極的で、来夏の東京五輪・パラリンピックでも頻繁に起きる可能性がある。