1年前の夏、ユベントスで背番号10を纏うパウロ・ディバラをめぐる移籍報道は後を絶たなかった。イタリア王者の放出方針を受け、プレミアリーグ移籍が注目されるも、本人は残留希望と騒がれた。

 アメリカ『CNN』のインタビューで、ディバラは当時を「1年前のこの時期にユベントスが僕の残留を望まなかったんだ」と振り返っている。

「そのときに関心を寄せてくれた複数のクラブからコンタクトがあった。マンチェスター・ユナイテッドやトッテナムもいたね。長いこと話し合っていたと思う。パリ・サンジェルマンも現れた。どことも直接話してはいない。でも、クラブ同士が話した。でも、僕は残るつもりだったんだ」

 ディバラは「良いシーズンではなく、それまでの半年はポジティブじゃなかった。だから、そのイメージで去りたくなかったんだ。ユーベには良い瞬間もたくさんもたらしたと思うからね。そんな風に去るのはフェアじゃないと思った」と続けている。

「だから自分は残って成長し、ここでベストを尽くすつもりだと伝えた。ユベントスは違う考えだったから、簡単じゃなかったよ。でも、マーケットが閉まって、マウリツィオ・サッリ監督が来て、僕は大きく成長した。チームもずっと良いサッカーをするようになった。今日まで素晴らしい1年だったよ」

 契約延長は「ユベントス次第」というディバラ。アルゼンチン代表ではリオネル・メッシとプレーするが、クラブでも一緒にやりたいと思うことはないのだろうか。ディバラは「バルセロナはワールドワイドなビッグクラブで、メッシがいることでなおさら大きな存在というのは事実だ」と述べた。

「(メッシとクラブでもプレーできれば)とても良いだろうけど、ユベントスも素晴らしいクラブだよ。とても大きなクラブで、歴史に満ちている。今は素晴らしい選手たちがいるんだ。2チームをつくれるくらいのクオリティーだし、ジャンルイジ・ブッフォンやクリスチアーノ・ロナウドとプレーできる機会が、さらにユベントスをビッグなクラブにしてくれる」

 そして、アメリカで黒人男性が白人警官に殺害された事件を機に大きくなっている人種差別への持論も語った。抗議活動は世界中に広まっている。ディバラは「イタリアでは多くのスタジアムで一部選手への人種差別がある。もっと処分を厳しくすべきだ」と話した。

「連盟が何もしないのなら、選手たちがやらなければいけない。あるいは審判たちが何度もやってきたように、試合を止めて、そういう人間が罪を犯し続けないようにしなければいけない」

 ディバラは「肌の色だけじゃない。人はすべてで差別される。ユース時代に一緒だったアジア系の選手たち(への差別)を見た。悲しいことだ」と続けている。

「幸いにも自分は違うように教育してもらえた。肌の色や国、着ているものではなく、その人となりや考え方で人をリスペクトできる。だれもがそう育つべきだ。でも、そうなっていないのは明らかだよね。人種差別と闘うべきは、有色人種の人だけじゃない。全員が社会として、世界として、団結しなければいけない」

 ディバラが言うように世界が団結し、一刻も早く人種差別が撲滅されるのを願うばかりだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部