モンテディオ山形の新クラブハウスが山形県総合運動公園内に完成し、6月5日にテープカットとメディア向け完成内覧会が行なわれた。普段トップチームがトレーニングで使用している第3運動広場の真横にある立地で。

 施工主はモンテディオ山形の鎖骨スポンサーでもある「クリエイト礼文」。木造地上2階建て、延床面積は1227.53平方メートルと現クラブハウスからおよそ2.5倍の広さになった。

 トップチームの使用は6月下旬からを予定している。

 現在チームが使用しているクラブハウスは、1992年に開催されたべにばな国体に向けて山形県総合運動公園を建設する際に工事関係者が利用していた詰所を改装したもので、すでに築35年。ロッカールーム、リラックスルーム、浴室、メディカルルームなど必要最低限の機能は備わっていたものの、選手が屋内でマシントレーニングを行なうスペースがないため、運動公園内の一室を別に借り上げて使用するなどなにかと不自由が多かった。

 相田健太郎社長によれば、地方クラブが古いクラブハウスを使用していることで、新卒選手獲得競争で遅れを取ったり、移籍交渉時のネックになったりもしたという。

 相田社長は「こんなクラブハウスがあると言える施設ができた」と胸を張る。クラブとしての価値が大きく高まる施設が完成したと言えるだろう。

 新クラブハウスの中身は、現クラブハウスでもあった各部屋が広くなっただけでなく、食堂やコーチングスタッフ用の更衣室、記者会見室、アカデミースタッフルーム、練習試合などでビジターチームが使用する更衣室、インタビュールームや応接室、ホペイロ用の部屋などの機能が新たに備わっていて、クラブライセンスA等級基準の機能を完備している。

 特に35人が一堂に会するラウンド型のロッカールームや35坪の広さに2階まで吹き抜けて作られた屋内トレーニングルームなど選手が多く使う場所に多くのスペースを割いていて、大きな構造物とはいえ、ここまでの機能をよくぞ詰め込んだと感心するほどだ。



こだわったのは間取りや機能だ。例えば、ロッカールームからは、メディカルルーム、屋内トレーニングルーム、シューズロッカーや浴室にアクセスしやすく、スタッフルームや監督室、食堂からはグラウンドが一望できる。メディアが使う取材エリアやホペイロ用の機能を一箇所に集約させるなどゾーニングもはっきりしていて誰もが使いやすい構造だ。

 他にも選手からの意見でロッカーの形状を決めたり、USBのプラグをつけるなど細かい配慮も多く、利用者目線の様々な要望が叶えられている。

 外観から中身まで質実剛健で機能美重視のデザインとなっており、誰もが使いやすい施設として仕上がっている。

 「自分がいる間にこれだけの環境が整うとは想像していなかった」と話すのは、山形一筋で13年目になるキャプテンの山田拓巳。10畳ほどの狭いリラックスルームで数十人がすし詰めになってミーティングを行ない、選手自身で練習着を洗濯していた時代を知っていて、環境が変わり続けたクラブとともに歩んできただけに、その喜びもひとしおだろう。

「あとは選手がピッチで結果を出すだけだと思います。今まで経験したことがない過酷なスケジュールが待っていますが、この素晴らしい環境の中で、最大限の努力をして、準備をしてリーグ再開を迎えたいです」と再開に向けて意気込んでいた。
 
 過去に例がない超過密日程となる今年のJリーグ。過酷な戦いが待っているだけに、頼もしいベース基地を獲得できたことは何よりも心強いはずだ。

取材・文●嶋守生(フリーライター)

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