山口県と県教育委員会は5日、新型コロナウイルスの感染拡大で中止になった全国高校総体(インターハイ)や県高校総体の代わりとして、県独自の大会「やまぐち高校生2020メモリアルカップ」を開くと発表した。高校の文化部についても録画による発表の場を設ける。

 県と県教委によると、県高校体育連盟の34競技のうち、水泳、ハンドボール、バスケットボールなど25競技ほどが開催を検討している。7月以降の土、日曜を中心に試合を行う。高校1~3年生が出場し、時期や形式は今後競技ごとに決める。無観客が基本だが、感染状況を見ながら保護者は観戦できるようにする。サッカーやラグビー、駅伝など秋から冬に別の大会が予定されている競技は、その大会を代替大会とする可能性もある。

 文化部向けには、中止になった県高校総合文化祭の代わりに「やまぐち高校生2020メモリアル文化発表会」を行う。総文祭の15部門のうち、演劇など団体発表をする7部門が調整している。学校に業者を派遣して発表の様子を録音・録画し、DVDにまとめて各校に配る。ウェブでの審査や表彰も検討する。

 県は高校生の部活動を応援する特設サイトを近く設ける方針だ。大会の日程や組み合わせを掲載し、出身者や県民から激励メッセージを投稿してもらう。

 記者会見した村岡嗣政知事は「頑張ってきた生徒が集大成を発揮できる場を設けたいと考えた。県民と一緒に高校生を応援したい」。浅原司教育長は「生徒は大きな喪失感を味わっている。厳しい状況でも頑張っている生徒の姿を社会に示し、元気と活力を発信できれば」と話した。(伊藤宏樹)

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 水泳は、7月中旬から8月上旬の開催で調整が大詰めを迎えている。昨年の県高校総体で男女とも総合優勝した西京高校(山口市)水泳部の部員たちは、練習後にプールサイドで顧問の西尾泰教諭から発表を聞いた。小声で「おー」と沸いたが、表情はすぐに引き締まった。

 副主将の福江美里さん(3年)は「まさか、大会があるとは思っていなかったのでびっくりした。小さい頃から頑張ってきたので、最後は出せるものを全部出して終わりたい」と話した。

 県高体連によると、「メモリアルカップ」は、県内での対外試合が6月20日から解禁となる方針が伝えられた5月末ごろから、県教委などとの間で話し合いが本格化したという。独自大会の開催について、県高体連では競技別の各専門部で協議を進める。河村信宏理事長は「3年生だけでなく、1、2年生にも目標を見失っていた人がいた。大会開催が決まれば全力をぶつけてほしい」と話した。(高橋豪)