今から8年前の2011-12シーズンのプレミアリーグは、伝説的な幕切れとなった。

 全試合同時刻開催だった最終節の大一番で、優勝争いを展開していたマンチェスター・シティは降格圏にいたQPRに1点のビハインドを負って90分を迎えていた。

 このまま終われば、“隣人”マンチェスター・ユナイテッドにタイトルを持っていかれてしまう。しかし、まさに崖っぷちに立たされたシチズンズ(シティの愛称)は“奇跡”を起こす。後半アディショナルタイム2分にエディン・ゼコが同点弾をねじ込むと、その2分後にマリオ・バロテッリのラストパスを受けたセルヒオ・アグエロが豪快な一撃を蹴り込んで逆転に成功したのだ。

 オイルマネーによって長きにわたった低迷期を脱し、44年ぶりの戴冠を果たしたシティ。そのアンビリーバブルな幕切れは、プレミアリーグ史に残るものだった。

 ほぼラストプレーでニアサイドに豪快な起死回生の一撃を決めたアグエロは、文字通りの英雄として、サポーターたちに称えられたが、本人は意外にも「手応えがなかった」とシュートの瞬間を振り返っている。

 現地時間6月3日に「Amazon」社が提供するライブストリーミング配信コンテンツ『Twitch』で当時の試合を解説したアグエロは、値千金のゴラッソについて次のように語った。

「僕はこの試合で何もできていなかった。試合全体を通してみたらボールを引っ掛けるシーンが多いと思う。得点シーンだってそうだ。ヒールパスを受け取るまでは何もしていない」

 このQPR戦での自身の出来に不満を口にしたアグエロは、正直に告白した。

「本当のことを言うと、僕はあんな風にシュートを打つつもりはなかったんだ。これはみんなに誓うよ。あのコースを狙って打ったんじゃないんだ。ミスキックさ。でも、もしも、僕が思い描いていたようにシュートをしていたら、きっとディフェンダーに当たって、ゴールにはならなかった。ゴールできたのは本当にラッキーさ」

 シティに歓喜の瞬間をもたらしたのは、まさかのミスキックよって生まれたゴールだったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部