5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に“歴代で最強だと思うチームトップ3”を選んでもらっている。ここでは川崎でプロ入りし、ドイツや韓国でも活躍してきた鄭大世(清水)の“トップ3”を紹介しよう。

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「鄭大世が選ぶ“最強チームトップ3”」
1位:2004年の横浜F・マリノス
2位:2009年の鹿島アントラーズ
3位:2008年の川崎フロンターレ
 
 大学生の時に練習参加させてもらった04年の横浜を1位にします。当時から僕はFWだったので攻撃陣に注目していて、アン・ジョンファン、久保(竜彦)さん、坂田(大輔)さんらの高いクオリティに衝撃を受けましたね。岡田監督の下、攻撃は自由で好き放題暴れ回っていた印象なので、とにかく見ていて楽しかった。

 守備も中澤(佑二)さん、松田(直樹)さん、河合(竜二)さんらがいて、すごく堅かったですよね。実際に練習で中澤さんと対峙した時、なにも通用しなくてかなりへこみました。河合さんにも軽く身体を当てられただけで、過去に経験したことのない感覚で吹き飛ばされて……。実際に練習参加したからこそチーム力の高さが分かりましたね。

 人として尊敬できる選手が多かったのも1位に選んだ理由で、例えば松田さんは、実績もない練習生の僕によく声を掛けてくれました。松田さんからしたら特に話すメリットはないけど、馴染ませようとしてくれたんだと思います。

 (田中)隼磨さんにはクロスからのシュート練習に付き合ってもらって、奥(大介)さんからは「サッカーノート書いてるんだ、偉いじゃん」と褒めてもらいました。まさに理想のチームです。
 
 2位は3連覇を果たした09年の鹿島。当時、僕は川崎でプレーしていて直接対決では1勝1分と負けなかったんですけど、気づいたら鹿島が優勝していて、改めて1シーズンでの勝負強さを感じましたね。
 
 その象徴は間違いなく小笠原(満男)さん。うっちー(内田篤人)も「小笠原満男なくして鹿島はない」と言っていますし、練習の強度が高いのは小笠原さんのマインドがクラブに伝わっているからでしょう。


 あと、興梠(慎三)はまだ精神的に成熟していなかった印象ですけど、とにかくクレバー。ただ、それを上回るのがマルキーニョスです。ひとりでシュートに持ち込める実力者だけど、周囲を使うのも上手い。この2トップは憎たらしかった。

 それを支えていたのが本山(雅史)さんと野沢(拓也)さんの天才MF。豪華過ぎる陣容ですよね。

 最後に清水で17、18年とチームメイトだった(増田)誓志についても話をさせてください。当時、彼はレギュラーでなかったんですけど、常に自分を追い込む性格で、サッカー選手の鑑。09年の鹿島を選んだのは、彼に敬意を表す意味もあります。


 3位は08年の川崎です。僕がだいぶ自信を付けてノッていたシーズンで、ジュニーニョとレナチーニョと組んだ3トップは脅威だったはずです。なにより一緒にプレーしていて楽しかった。

 なかでもジュニーニョは“神”でした。大事な場面で点を取る勝負強さがあるし、チャンスメイクも秀逸。僕が点を奪えていたのは、彼のおかげです。また、ゲームを操っていたのは(中村)憲剛さんでしたけど、称賛され過ぎているのでMVPは森(勇介)さんで。
 
 森さんはJ1、J2、J3のすべてで一発退場するなど、あまりイメージが良くないかもしれません。ただ、情に厚く、若手をすごく可愛がっていて言うなれば“寅さん”。そんなキレイじゃないかな(笑)。もちろんピッチ上でも心強く、サイドからのドリブルは切れ味抜群で、不可欠な存在でした。

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取材・文●古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

※『サッカーダイジェスト』2020年6月11・25合併号より転載。
【詳細情報】2020年6月11.25日合併号