新型コロナウイルスの影響で延期されていたJリーグが、緊急事態宣言の解除を受けて5月29日に再開日を発表。具体的には6月27日にJ2&J3リーグが、その1週間後の7月4日にJ1リーグの試合が実施されることになった。

 5月15日にJ1最速で練習をリスタートさせた鳥栖と、例えば6月1日に再始動した札幌とではコンディションに差が出るだろう。このコンディションの差がとりわけシーズン序盤は試合の流れを左右するファクターになりそうだが、とはいえそれで覇権の行方が決まるわけではない。

 むしろ注目すべきは、2020年シーズンの限定ルール。その一つ目が「昇格あり」・「降格なし」で、もうひとつが「交代枠5人」(ただし、交代回数はハーフタイムを除き各チーム3回まで)である。

 「降格なし」なら、あえて引き分けを狙う必要はない。たとえリーグ戦で全敗しても残留できるのだから、失点は承知のうえでアグレッシブに戦ってもなんら問題はないだろう。試合を重ねていくうちにタイトルレース(ACL出場権争いも含む上位戦線のバトル)に絡むようになれば、そのチームは慎重なスタンスで勝点を狙うケースも出てくるはずだ。ただ、一方で“来季への準備”を睨んで様々なテストをするチームがあっても不思議はない。目先の勝点より近未来への投資。そうした動きが活発になれば、おそらく例年以上にオープンな展開のゲームが増えるかもしれない。

 もちろん伝統的に堅守速攻を貫くようなチームもあるだろうし、打ち合いが増えるとは一概に言えない。しかし、残留争いがない分、0-0のような堅い試合は少なくなる可能性は高い。そう仮定した場合、白星をコンスタントに積み上げそうなのが攻撃力の高いチーム。昨季の成績も参考資料にすれば、J1なら横浜、川崎、柏、J2なら磐田、徳島、新潟あたりがリーグを盛り上げてくれるだろうか。

 オープンな展開にやりやすいと予想できるもうひとつの根拠が「交代枠5人」。実際、FC東京の長谷川健太監督はこんなコメントを発している。

「いろんな選択肢があります。5人交代できるということはフィールドプレーヤーの半分を代えられるわけですから。試合開始直後から飛ばしてくるチームもあるんじゃないかなと。なれてきたら、非常にアグレッシブな試合が多くなるかもしれません」


 フィールドプレーヤーの半分を代えられるという点からは、ベンチメンバーが勝敗の鍵を握るとの見方もできる。ある意味総合力がポイントになるわけで、おそらく過密日程になるだろうスケジュールも踏まえれば、今季の戦いでモノを言いそうなのは選手層ということになる。J1なら鹿島、川崎、FC東京、柏、G大阪、J2なら磐田、千葉、徳島、京都あたりが選手層に自信を持っていそうだ。

 ただ、このうち、FC東京はACLの負担があり、天野純と小池龍太が5月下旬に加わった王者・横浜も戦力がアップしたとはいえACLの戦いで蓄積されるだろう疲労は懸念材料になりそうだ。

 安易ながら、高い攻撃力、厚い選手層の両方を満たすのは、J1なら川崎、柏、J2なら磐田、徳島あたり。この4チームが優勝候補と言えるかもしれない。特に気になるのが、川崎。昨季は守備を固められて9つも引き分けたホームゲームで、どんな戦いぶりを見せるのだろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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