衝撃の告白をしたのが、アタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督だ。

 5月30日付けのイタリア紙『Gazzetta dello Sport』で語ったところによれば、チャンピオンズ・リーグ(CL)のバレンシア戦の前日に新型コロナウイルスの症状が出ていたという。

 アタランタが本拠地を置くベルガモは、コロナの被害が大きいイタリアの中でもとりわけ深刻なパンデミックが発生した。その理由のひとつとして、2月19日にミラノのサン・シーロで行なわれたCLラウンド・オブ16のバレンシア戦を観戦するため、4万人のファンが行き来をし、4-1の大勝を祝ったことを挙げている専門家も少なくないという。

 そして、すでにイタリアでもスペインでもコロナ感染が広まるなか、3月10日にバレンシアで第2レグが開催され、アタランタは4-3で勝利。初出場でベスト8進出という偉業を成し遂げた。

 その立役者と言える智将は、「バレンシア戦の前日から気分が悪くなった」ようだ。

「(バレンシア)行くことができないと思った。まだやらなければならないことがたくさんあるのに……」

 結局、スペインへと渡ったイタリア人指揮官は、「試合当日の午後はさらに悪化した」と語り、こう続けた。

「ベンチでも体調は酷かった。それから2日間ぐらいは眠れなかった。発熱はなかったけど、あるような感じだった」

 そして、ベルガモに帰還後、チームはアタランタのファンであるミシュランの星持ちのシェフから、料理と高級なシャンパンを振る舞ってもらったという。

「私はそれを味わって言ったんだ。『これは水か』とね。料理はパンのようだった。完全に味覚を失っていたんだ」

 発熱がなかったガスペリーニ監督は、ずっと検査を受けないでいたが、10日ほど前に行なった血液検査でコロナ感染が判明したという。

 6月20日にセリエAの再開が決まったが、試合開催のリスクを体感しているだけに、反対するアタランタのサポーターも少なくないようだ。一方で、ガスペリーニが植え付けた攻撃サッカーのテレビ観戦を楽しみにしているファンもいることだろう。

 アタランタとガスペリーニは、コロナで大打撃を受けた街の希望となれるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部