プロボクシングのワタナベジムが新型コロナウイルス感染拡大で激減した運営費を補うために呼びかけていたクラウドファンディングが22日、目標の600万円に達した。午後10時50分過ぎに支援金は600万円となった。支援者数は434人。募集終了まで8日間残していた。終了まであと7日となった23日午後2時10分現在で、支援金は443人から606万2000円が集まっている。

 ワタナベジムは男女8人の世界王者を生み出した名門で、現在はWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人らプロ選手約90人、一般会員ら約300人が所属する。コロナ禍で7月までの主催4興行、今月9日予定だった京口の世界戦など29試合が中止。損害は600万円以上とされ、さらに自治体の休業要請により一般会員からの月謝は入らず。ジム維持費や人件費など支出は大きく膨らんでいた。ジムは現在も休業中で、一部のプロ選手のみ個人練習を許されている。

 京口ら選手らはジムの危機脱出に尽力。支援金のリターン(返礼)として、支援者へのトレーニング指導や食事会、グラブへのサインなど様々な形で協力していた。

 渡辺会長は23日、書面でお礼のコメントを述べた。同会長のコメントは以下のとおり。

 「この度は、私どもが募集をかけさせて頂いたクラウドファンディングに対し、多大なるご支援を賜りまして誠にありがとうございます。クラウドファンディングを始める前は、ほとんどの人がコロナの影響で先行きが見えず、自粛を強いられる中であるにも関わらず、支援を募ってもよいものだろうかと迷いましたが、今となっては本当に始めて良かったと感じています。その理由は、皆様から支援と共に気持ちのこもったメッセージをたくさん頂いたからです。

 後楽園ホールで私と立ち話をしたことを今でも覚えてくれた方からお言葉を頂戴したり、かつて当ジムの会員で遠方に移られた方が気にかけてくださったりと、約40年のボクシング人生を歩む中で、非常に多くの方々がワタナベジムを思ってくれているのを実感しました。

 更にうれしいことは、所属選手らが日々ファンの方々をとても大事にしていることが分かったことです。会場で会ったときに選手から挨拶をしてくれたのがうれしかった、ジムでミットを持ってくれた、SNSで直接メッセージをくれたのがうれしかったなどのメッセージを拝見したときは、私の知らないところで、選手が社会人として、プロアスリートとして、育ってくれているのを感じるとともに彼ら彼女らのことを誇らしく思っています。

 今、一部の選手しかジムに来られないのですが、早く選手と会員全員の顔が見たいです。

 ご支援いただいた皆様、クラウドファンディングを取り上げてくださったメディアの方々、ワタナベボクシングジムの選手・会員、全てに感謝の気持ちでいっぱいです。

 スポーツジムの自粛解除は、かなり先の方になってしまい、ボクシングの興行も行いづらい状況となっていますが、いつか再びリングに上がる選手たちを、今後ともよろしくお願い申し上げます」